2020年2月9日日曜日

日報抄と叔母

80歳を迎えた叔母の若かりし頃・・・・・・。

朝早くから夜遅くまで
タイプライターを打ち、法律書を片手に
頑張っている叔母に私は幼いころから憧れていました。
イタリア映画によく出てくるワンシーンを想うのです。
タイピストは女性にとって、働く女性の代名詞でしたから。
もう一つ叔母が素敵だと思うことがありました。
それは、おしゃれだったことです。
背が高く、やせ型です。
老人といわれる年になっても
ピンクや黄色の洋服をさりげなく着こなすセンスは
一流でした。

そんな叔母もキャリアウーマンから遠ざかり
お茶のお稽古やボランティア活動に
人生の役割を置き換えて楽しんでいました。
私自身、お茶のお稽古に通うようになったきっかけは
叔母の影響もあったと思います。
「お茶を点てるから、遊びに来て」と
認知症の母と私を誘ってくれたある日。

「私もね、認知症になるといけないから、
毎日かかさず、日報抄を書き写しているのよ」 と
10冊以上の大学ノートを私に見せてくれました。

その時から3年が過ぎ
叔母も少し認知症がはじまり、
一人暮らしは大変だからと
老人ホームに入所しました。

今でも叔母の息子は老人ホームに入所した
叔母のために新潟日報をとってくれています。

今日もきっと
日報抄を大学ノートに写していることでしょう。

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