姉ちゃんの形相が変わるほど、「絶対嫌だ」と宣言したお見合いでした。
それなのにどうして1年後に結婚をしたのか、それは・・・・・・。
お見合いのお相手「足の大きな人」は栃尾の人ではありません。
そこで、私の父は探偵のように、「足の大きな人」の調査に出かけたのです。
その結果、人柄もよく、商売繁盛の働き者との評判で、
申し分のない人だから、結婚を前提にお付き合いをするようにとなったわけです。
それでも、姉ちゃんは気が進まなかったのでしょう
私を味方につけようと「ねえ、礼子ちゃん、駄目だよね、絶対行かない方がいいよね」と
必死で同意を求めるのです。私の本心は、大好きな姉ちゃんがいなくなるなんて
ダメだと思いました。
そして
最後の決め手はおばば(私の祖母)の気持ちだったようです。
「おまえは、この家にいる子ではない。いずれどこかに行かなければならない。
人柄もよく、先方さんも気に入ってくれているんだから・・・・・・。」
昭和40年は、恋愛結婚の時代ではありませんでした。
そして、だれもが祖母の病が大変であることを知っていました。
いろいろな事情はあったものの、たった一回のお見合いとたぶん数回のデートで
結婚を決めた姉ちゃんでした。
結婚式当日は中学の期末試験日でした。
そのために結婚式前夜だというのに
私は猛勉強というか一夜づけの勉強のため
別室にて一人黙々と・・・のはずが炬燵でぐうぐうと居眠り・・・・・。
目を覚ますと、一枚の手紙が置いてありました。
「礼子ちゃん、姉ちゃんはお嫁に行きます。でもいつまでも礼子ちゃんの
姉ちゃんです。みんなのことをお願いします・・・・・・。」と書いてありました。
胸が張り裂けそうになったあの日のことは今も忘れません。
結婚式から1年後に姉ちゃんはお産のために我が家に里帰り、
ふたたび家族が全員揃いました。
このまま姉ちゃんがいてくれたらいいなあと
心の底から思いました。
それから、すぐの出来事でした。
この続きは姉ちゃんの命日6月20日で最終回とさせていただきます。
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