お茶のお稽古
棚ものと箱手前をする。茶杓は飛梅というらし
い。お床には天神様とマンサク。
先生が菅原道真の句をサラサラと言う。
「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 主人(あるじ)な
しとて 春な忘れそ」 菅原道真が太宰府に左遷された
時の和歌です。「春な忘れそ」は「大鏡」という歴史物語に載っています。ちなみに、「拾遺和歌集」では「主人(あるじ)なしとて 春を忘るな」になっています。 どちらとも、(春になって)東の風(春風)が吹いたなら、その風に乗って太宰府(九州)に香りをよこしてくれよ、梅の木よ。(お前の)主人が居ないからといって、春を忘れないで欲しい。というような意味です。
東風吹かば・・・・・・うーんちょっと忘れてい
ました。それにしても茶人は物知りでないとでき
ない。四季を追う茶ごとの楽しみはお点前だけで
なく、句やそれにちなんだ歴史を学ぶことにある
ようだ。薄茶盛に東風と蓋の表に書いてあり、
蓋の裏は綺麗な梅の花が描かれてある。
粋なはからいだ。
お床のマンサクにお日様があたって
影ができ、並んだ天神様が嬉しそうに微笑んで見
えた。
学んだことはこの日限り、来年にまた出会うだろ
うが、きっと私はまた忘れて
初めて先生からお聞きしたような顔をするであろ
う。去年のお稽古の記憶が少しだけ蘇ってきた。
お茶は繰り返しの楽しさであろうか。
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