山道の脇はススキの穂が
秋風に揺れる。私はまるで大きなゆりかごに入っているようだ。
道院の池の周りには、夏の忘れ物がたくさんある。
そのひとつ
あなたに語りかけてみる。
久しぶりにお会いしましたね。今日はお母さんはご一緒でないのでしょうか?と
私に問うあなた。
母は病気で入院しています。と応える私。
悲しそうな顔のあなたはセピア色の紫陽花さん。
たったひとつだけ、残されたホタルブクロの花の先に
赤とんぼが止まる。
私の足音に気づかない。
まるで眠っている赤子のようだ。
紫色の萩だけは
これからですと元気そうだ。
道院の秋は始まったばかり
来月になると漆が赤く染まって夕日色になります。
ススキの穂は
狐のしっぽのようになって、野山を駆け回る。
誰もいない、小さな高原を今日は夫と歩く。
お父さん、来月にお友達呼んでみんなで散策しましょう!
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