2017年9月16日土曜日

義父、カールベンクス、実母





赤ワインは小布施の2015年産、甘酸っぱい香。
グラスの向こうに映るカールベンクスの想いがスクリーンに映る。

今朝はゆっくりと起きた。
朝食の準備をしながら、1日の予定を立てる。
今日は私の休日。
義父は施設に入って一ヶ月になる。ひ孫の写真を見せると、頬の筋肉が和らぎ、
「大きくなった」と言う。
ホールに行こうと同室の方に誘われる。
「歩いていく」と虚勢を見せるものの、介護士さんに止められ、車椅子に乗る。
普通食がとれないせいか少し痩せて見えた。
認知症は思ったより進んでいなかったことに胸をなで下ろす。

栗山から十日町に向かう。
古民家レストランを目指す。
目的地は想像以上に重厚で趣がある。梁で作られカウンター、格天井の棚に目を奪われる。
古い建物の再利用はとても素敵だった。
地元のパン、茄子のスープ、豚肉ソテーにきのこのメインはとてもボリュームがあった。
デザートの黒イチジクは程よい甘さとシャーベットが口の中でとろける。

食べ終わる頃、若いスタッフの娘さんと雑談。
映画「雪の中のしろうさぎ」、娘が以前ドイツに住んでいたこと、
栃尾の油揚げの話に盛り上がる。
そして最後に、これからのご予定はと優しく声をかけていただく。
予定のないことを話すと「星峠の棚田」と古民家集落の竹所を教えてくれる。
この少し贅沢な気分に幸せを感じ夫に感謝……。

星峠の棚田を見下ろすと、栃尾の棚田を思い出す。
すると母のことが気になり始め、病院へ急ぐことにする。
越路を通ると、母を連れてきた紅葉園を思い出す。
もう二度と母と一緒にドライブすることはないだろう・・・・・・。

母の病室に入る。今日は氷がない。額に手を当て、右手の手袋を外す。
汗ばんだ手を拭いてやる。
抗生剤が効いてきたようだ。夕方、妹がやってきて、ふたりで母を見守り安堵する。
母の口は相変わらずへの字だったけど、先生の熱も下がりよかったです。の声に
安心して、妹から自宅に送ってもらう。
私の一日が終わった。

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