昨夜見つけた夏椿の花
二輪咲いていた。
その周りには大小の真珠玉が
連なっていた。
今朝障子戸を開けた。
白い大輪が私を迎えてくれると
思っていた。
がっかりだ。
昨夜の2輪はどこに落ちただろうか。
たった一日で落ちてしまう花。
まだ咲かない真珠色の蕾。
歩行機を押しながら
居間に行く。
ピアノの蓋を開けてみる。
大丈夫だ。片手で開けることができた。
ちょっとだけ椅子に腰掛け
悲愴を弾く
覚えている指が
ターンタータンタタタータン
とゆっくり鍵盤を押さえる。
ところが
盛り上がりのところにきたら
指が止まって
楽譜が読めない。この部分は先月
ようやく弾けそうになったばかりだから
仕方ない。
仕方ないとがっかりしていると
重い石が腰を叩く。激痛が走る。
まだまだ無理だ。
ピアノの蓋をそっと閉めて
痛い腰をさすり
コーヒーだけ入れ
一口
朝のコーヒーは美味しい。
そしてベッドに横たわる。
いつになったら、
痛みがなくなるのだろうか
ちょっとだけ涙が滲んだ。
もう少し
私たちがみんな咲き終わった頃には
大丈夫ですよ。と私に囁く夏椿。
日日是好日
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