ももちゃんのピアノ
文・柴田昌平
絵・阿部結
一冊の絵本が届きました。
お友達のお知り合いの方の本でした。
一度お会いしたことがあります。
もう10年くらい前になるだろうか。
とてもおおらかで優しい方という
印象でした。
ドキュメンタリー映画などで有名な
柴田昌平監督作品
興味深々で拝読。
表紙の裏にピアノ鍵盤に映るトンボの
絵が描かれている。
なんていうのかな
亡き父母を思い出すような感じがした。
沖縄戦が始まるちょっと前から
終戦を迎え、そして現代までの
ももちゃんの心がわかりやすく
切なく、悲しくて
涙なしでは読めませんでした。
ももちゃんを支えてくれた
紙のピアノ、本物のピアノ。
ももちゃんの支えになったピアノ。
この本を届けてくださった映画監督作品
「おかあさんの被爆ピアノ」と
自然と重なる。
ひめゆり学徒のももちゃんは
立ったまま眠る。兵隊さんの傷口に
集る虫を除くなど
背中が冷たくなる。
文字を読んでいるのに
私の頭にはリアルな映像が映し出され
目を背けたくなる。
今戦っているウクライナもロシアも
戦争の渦中であり、
戦争はいけないことには変わりないはず。
日露戦争にしろ日中戦争にしろ
世界中が間違っていたはずなのに
また繰り返している。
遠い国のことではない。
ももちゃんに生きろと言った音楽の先生。
行けと命令した日本兵。
そして「私は、前を向いて生きていく」
と思ったももちゃんに私は
勇気と励ましをもらう。
自分の不注意でしばらくベッド生活を
しなければならない自分。
ちょっとした私の思い違いで
大切なことを見失いそうだったこと。
などなどがまるで小さなことで
泡のように消えていく。
今出来ることを
これから出来ること
前を向いて生きていくことだな
あなたのことですよと
私は私に言う。
ももちゃんは70歳になってもう一度
ピアノを弾いたそうです。
私がピアノを習い始めて1年半
そして今ピアノが弾けないので
どれくらい後戻りするであろうかと
ピアノを横目で見ながら
不安な気持ちだったけれど
私は戦禍にいるわけでもない。
骨折さえ治れば、また弾ける
一からまた始めればいい!
焦らずに、ゆっくりと。
私のペースで
日日是好日
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