2024年12月9日月曜日

暇つぶしに「ドクターX」

 宣伝効果は凄い

暇つぶしとはいえ自ら娯楽映画を観に行く自分。主演の米倉涼子さんは目力がありすぎて、ちょっと苦手だ。好きな俳優はラッパのマークの宣伝に出ていた勝村政信さん。このCMにながれる曲「ショパンのプレリュード」はピアノの課題曲だったことを思い出す。ピアノの先生が教えてくれた曲でありそのCMに、この方が出演されていたと言うだけでこの方が好きになった。なんと単細胞人間の私だろうか。さて、暇つぶしで選んだ映画、はじまりから展開像は見えてくる。晶さんは死なないこと。もしかしてファイナルって言うから彼が死ぬのだろうかと思っていたら不死身だと最初に種明かしをしている。いいよ娯楽映画だから。数分朝居眠りが入ってしまった。迂闊でした。

それでもこの大画面はさすが映画館である。スクリーンの大きさはテレビ画面と違う大迫力。音がいい。家だと外野の音がセリフを消してしまう。最近耳が悪いことを自覚しはじめた私であるが、映画館では全く感じることがない。

サスペンスなのかお笑い系なのか人情ものなのかそれとも社会派っていうのだろうか、入り交じっている。悪役西田敏行さん最期の作品だろうか?演じる表情に病を感じたのは気のせいだろうか。悪役から正義に変身もいい。穏やかが一番好きだから。

そして思う。

暇つぶしに観た映画だったが映画はやっぱりいい。涙シーンもあった。現実にはまだありえないことだが、それも良しと思える。筋書きも最初から見えるのもいいかな。安心感がある。

はて、私も70歳になりはじめて観た映画は「水戸黄門」調になったのだろうか。

日日是好日

2024年12月7日土曜日

ピアノ10分間

 2日前にちょっと弾いてみた。

今日は朝イチにと奮起。指の練習「ハノン」は好きではない。音階と指の練習なのだろうか、右と左で1オクターブ違うが同じ音を弾く。オクターブ上がって、下がるだけなのだが、音楽センスのない私には難しいのです。左の薬指でミを弾くと同時に右手は人差し指でミを弾くのである。つまり右手と左手の音は同じなのに指が違うのである。途中で指が絡まってくるのか、音がずれてしまう。

慣れてくれば大丈夫のはずが一月以上弾かないでいると伸ばしたはずのバネが元に戻ってしまったようだ。

5回くらい練習して5回以上止まってしまう。できない自分に腹をたて、ブログに言い訳している。

夫は「長いこと弾いていないから当たり前だ」とこんにゃく作りをしながら励ましている。

日日是好日


2024年12月5日木曜日

ホタル

時間に追われない生活は70歳で初めての経験である。このことがこれほど苦痛とは思わなかった。

昨日は病気のお見舞いに午後から行ってきた。行き届いたお掃除されれたリビングに観葉植物が置かれている。綺麗好きな性格なのだろう。目が真っ赤で痛々しい。梅干しにらっきょ、味噌、煮物、頼まれたみかんをテーブルに出す。彼女の瞳がちょっと曇って見えた。思い切ってお見舞いに来て良かった。

帰宅すると、もっていくはずのおいなりさんの酢飯がそのまま釜にあった。たっぷり時間もあって準備していたはずなのに物忘れは進んでいるようだ。情けない。

夫は友達の招待を受け出かけた。夕飯はひとりだ。お見舞いに持って行った残りの煮物を食べながらテレビをつける。昔の映画のようだ「ホタル」高倉健と田中裕子の作品だ。題名に魅せられて観ることにした。昭和51年頃からはじまり、戦争体験者であり特攻隊の生き残りの話だった。私はこの映画が作られた時20歳くらいだっただろうか。今から50年前だから今この主人公が生きていたら90歳を超えているはず。戦争体験、特攻体験者の苦悩は戦争が終わっても癒えることなく続いていることを訴えている。無口の主人公の表情、その妻の想いがじーんと伝わってくる。政治的背景に戸惑いながら、ロシアとウクライナの戦争のように日本も戦争に朝鮮人を利用したのか?学校では習わなかった。戦争について私は何も知らないのだ。

寒中にホタルは舞うはずがないのにたったひとつのホタルは愛する人のそばに現れる。幻想として捉えたらいいのか、どれとも本当にホタルとなって、再会を果たしたのかわからない。命の使い方があるんだろうか?

何がやりたいのかわからない。やりたいことが見つからないなんて、戦争体験者や戦争で命を落とした人たちに言ってはならない禁句だろう。

日日是好日



2024年12月2日月曜日

盲目のピアニスト辻井伸行プレミアムリサイタル

 辻井伸行さんのコンサートを拝聴するのは今回で3回目。

席は2階の舞台裏が見えるB席だった。真上斜めのため、手元は全く見えない。だが顔の表情はとてもよく見える。観客も見渡せるB席もおつなものだ。

3部構成になっている。

にわか音楽鑑賞者です。ドビッシーの曲ではじまりました。ネパールに行く前に練習していた「夢」を思い出し、もう1月以上練習をしない自分を振り返っていました。やる気が起きない。元々音楽には疎い性格である。今更クラッシックと向き合ってもこの先上達するには毎日の努力が必要だ。時間はいっぱいあっても鍵盤の蓋を開いて指をのせても5分ももたない今。なぜ、どうしたのか?

やっていることは家事だけ。白内障手術の結果ゴミがよく見えすぎるからだ。その他は無気力状態である。

1部はドビッシーらしさを感じる。2部は全く知らない作曲家だった。豚に真珠だ。不協和音のような曲で、秩序がない。これで終わりかと思えば続いている。わかると言えば難し曲である。耳慣れしていないのでクラシックの良さがちょっとわからない。

ここにいる観客の熱のこもった拍手喝采を聴くと、私のような音楽を知らないものが、聴いていいのだろうかとさえ思ってしまった。

休憩を挟んで3部はベートーヴェンだ。曲は知らない。だがベートーヴェンだった。ベートーヴェンらしさが聴こえてきた。

辻井伸行さんの表情がすごい。映画を観ているようだ。以前と違う。音の世界に入っている顔だ。堂々と自信に満ちている顔だ。

拍手喝采の中アンコール曲がはじまる。出だしの一小節目。何回も何十回も聴いている曲だ。そう、ピアノを始めた理由の曲「悲愴」だった。「おかあさんの被爆ピアノ」映画のはじまりだった。これにはまいった。さっきまで音楽は私とはかけ離れているかもしれないと思いながら聴いていたのに、なんだよなんで涙がこぼれてしまうんだよ。

ピアノを弾きたいと思ったこの曲、この曲のおかげでこの映画のおかげで今日があるのに・・・。

アンコール曲は続いた。戦場のクリスマスへと。辻井伸行さんに寄り添う方は舞台裏で盲目のピアニストの蝶ネクタイと襟を正す。なんと微笑まし仕草だろうか。愛がいっぱい詰まっている。

アンコールのたびにこのピアニストは左右に幾度も腰を90°に折ってお辞儀をする。観客に対して僕のピアノを聴いてくれてありがとうと語る。盲目のピアニストは心が清らかで音楽を心から愛している。

観客に感動を与えられる理由はそこあるようだ。

日日是好日

2024年11月30日土曜日

お手紙 メールありがとうございます。

 

栃尾の油揚げを通して、たくさんのお客様と繋がることができたことは、人生70年の中で、とっても嬉しいことのひとつです。

頂戴しました、お電話、ファックス、メールは私にとって心の贈り物をいただいたように嬉しく、頑張ってきた、ご褒美のようです。

これからもずっと豆撰とブログで皆様と繋がって、いけたらと思っております。

さて、ネパールの次は白内障の手術と慌ただしく過ごしておりますが、手術後のモネ展は色彩の変化をこの目で見ることができ、モネの世界が少しわかったような気がしています。愛する人を失ったり、白内障になってからも苦悩の中で描き続けた睡蓮は愛がいっぱい描かれていたように感じてきました。まだまだ若いと思う自分と忘れん坊の自分が交差する毎日ですがなんとか頑張って生きたいと思っております。

そして、皆様のご健康を心よりお祈りしております。

多田礼子

2024年11月25日月曜日

お歳暮のご案内

 お元気ですか

いつもご愛顧いただき、心より感謝申し上げます。

実は私事ですが70歳記念にネパールアンナプルナトレッキングの旅に行ってきました。ツアーを計画してくださった方はネパールに9年間在住のネパール通。私といえば山登りについてはど素人。カトマンズのホテルは超デラックス。食事も美味しく、気分は上々。ところが翌日はバスに揺られること2時間。昭和のバス、天然クーラーにバスには捕まるところなし。凸凹道だけならまだ許せる。車はは一台しか通れない。絶体絶命です。タイヤは後数センチで崖に墜落。でも、運転技術はウルトラC級。やれやれ、着いたところは長い長い吊り橋。落ちたら即死。ガイドさんのリュックにつかまって、そろりそろりと歩く。そのあとは肉体と気力への挑戦です。長い石段を上ったり、下りたり途中では雨にうたれたりと、6日間はまさに地獄の道。話と現実は天と地の差でした。とこんな大変な旅をしてきたわけです。それでも、ネパールの旅は感謝の旅でした。足が痛くて歩けない私に「礼子さんの痛みわかります。私も痛いから」と言っマッサージしてくれた整体師の方、高山病にならないよう、ゆっくりゆっくりと先導してくださった氷河の先生、リーダーに大丈夫!頑張れる?と叱咤激励されるなどなど20人の仲間に励まされ、なんとかアンナプルナベースキャンプ標高4130Mに到着。そして私を囲んだ、7から8千Mの山々が一斉に「ようこそ」と微笑んでくれたのです。私はありがとうと手を振りました。山々の神々しさに手を合わせてたその先には、私を快く送り出してくれた家族や豆撰スタッフの顔が次々と浮かんできました。

この旅の意義は、何気ない日常がどんなに大切なことで幸せかと知ることができました。そして皆様に、皆様の大切な方々に栃尾の油揚げをお届けしたいとスタッフ一同頑張っております。

日日是好日


2024年11月13日水曜日

自然とハグをする

 ネパールから戻って、すごい偉業を果たしたように自分を讃えてから、すぐに白内障の手術に入り、慌ただしい日日を過ごしていた。

ネパールへ向かった日から数えたら1ヶ月が過ぎる。突然の来客だった。私を誘ってくれた人生の先輩はなんとまあ、私を救ってくれた整体師ご夫婦とネパールに連れて行ってくれたリーダーを連れてきたのです。まるで戦友にでもあったかのようにリーダーに抱きつく。そして整体師ご夫婦とも抱き合う。その後、我が家で私の写した写真をテレビ画面で観る。感動と行ってきんだよね。本当に。と嘘のような夢のような錯覚になる。

アンナプルナベースキャンプの思い出の会話がはずむ。参加したから会話に入り感動を味合うことができ、共有できる。ハグなのだ。

日々是好日