2020年9月14日月曜日

般若心経写経から聞こえてくる父の読経

 

実家の両親の部屋の片づけをしていた。

小さな箪笥は見覚えがある。

私の祖母が嫁入りの時に持参したと聞いている。

祖母が生きていた時はこの箪笥に

嫁入りの時にさしたという鼈甲のかんざしが入っていた。

母はそのかんざしを大切に持っていて

結婚式などのお祝いには必ず髪にさしていた。

そして、わたしの娘の結婚披露宴に娘の髪にさした。

今は妹が所持しているはずだ。

さて

その箪笥から出てきたものは

大切そうにしまわれていた風呂敷包みの紐を

といてみると、何枚もの般若心経の写経が出てきた。

末尾に大橋ツギと記されてある。

その中で一番うまく写経できたものが

額に収められ床の間に飾ってある。

生前父が話していた

「ばあさんが一生懸命書いたものだ、額に入れてやった」と

一方的な喧嘩でいつも母を怒鳴っていた父の

夫としての優しさをはじめてみたような気がした。

母70歳、父71歳。20年も昔のこと。

母の写経を見ていると父が毎日唱えていた般若心経が

聞こえてきた。

 

 

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