2016年11月13日日曜日

八方台から森立峠にて 見送り地蔵で出会う






八方台から軽井沢への途中、森立峠あたりに
「見送り地蔵」と書いてある看板をみつけました。
道よりも少し奥まった、傾斜にぽつんと塔が建立。
道路から見ても、まるでお地蔵様の形はしていません。
近寄ってぐるりと回ると線彫りの延命地蔵が刻まれていました。
長い歴史の中で何回か塗られては落ちたのでしょうか
薄い赤色に塗られていました。
このような、線描きのお地蔵様を見るのは初めてです。
幾度もこの道を通っていたのに、立ち寄ることもなく通り過ぎていました。
この旧道は、栃尾と長岡を結ぶ殿様街道と呼ばれた主要道で
人馬が激しく往来したといわれているそうです。

どこから見ても、自分を見つめているように見えるから「見送り地蔵」
江戸中期以前、栃尾から長岡の殿様のもとへ年貢を納める百姓の父ちゃん、
母ちゃん。子供たちは親の姿が見えなくなるまでこの峠で「はようもどってきて」と
手をいつまでも振ってる顔が浮かぶのです。
牧野家のお雛様もこの峠を越えて栃尾に、病人のための薬も、
みんなこの峠の「見送り地蔵」に見送られたのでしょう。
まるで、タイムカプセルを開いたような、江戸時代に飛んで行ったような
ドキドキした映像が走馬灯のように私の頭を巡りました。
そして、今から40年ほど前に
栃尾からこの峠を越え、越後交通のバスで長岡に通っていたことを
懐かしく思い出しました。

平成の時代は「見送り地蔵」は羽田空港になってしまったようです・・・・・・。
クリスマスになればアメリカから娘夫婦が里帰りします。
その日まで、叔父の命がありますようにと「見送り地蔵」にお願いしてきました。





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