ベッド3台が病室にあります。
一人はお茶とヨーグルトのおやつを食べます。
手が少し不自由だから、
途中で介護士さんに手伝ってもらっています。
お隣さんは昨日お腹が痛くなったので、今日はお茶だけ。一口二口飲んでいました。
母は薄眼を開けています。
右手の手袋を外してやりました。
少し汗をかいています。
その右手を私の右手にとって、グー、パーを繰り返すのにも
私の手助けが必要です。
時々「いたい」と
反射的に言葉だけは出るのです。
「これはだれだ」と聞く私はとても意地悪な娘かもしれません。
隣の病棟は白くて高い建物です。
前の病棟はカラスが山に帰る途中、新幹線と競争していたのを見ることができたので
カラスの歌を歌ってやりました。
この病棟はほんの少しの曇り空が見えるだけです。
母は口を膨らませて眠ってしまいました。
アイパッドを取り出し、孫の写真を見ます。
表情がとても豊かです。
何語かわかりませんが、おしゃべりもします。
笑った顔、泣いた顔、怒った顔
どの顔を見ても微笑ましくなります。
母も孫も大切な親であり、孫です。
多分、母は病気が回復して日常生活が送れることはないでしょう。
孫は一日一日成長します。
あまりにも対照的な母と孫です。
この道を歩きはじめた孫
この道を歩き続け、疲れてしまった母
どちらも私の生きがいかもしれません。
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