2018年9月23日日曜日

胸が張り裂けそうなほど悲しかった。懐かしい想い出。

山の家の周りは草ボウボウ
豆撰で仕事をしていても、何も浮かばなくて
それより、ここはいい。
石垣から硬い根っこの草を大鎌で刈る。草もごうぎだ、石と石の間の隙間を
狙って自分の場所作りをしている。
いくら引っ張っても、私の力ではかなわない。
ダンゴムシとミミズと蟻の行列に鎌を持つ手が止まる。

幼少時代が蘇る。昆虫は私の遊び友達だった。草はままごとには欠かせない。
この山の家からひとりで下りたことがなかったあの頃。
道を下れば、家は変電所まで道の両側に続いて
同年齢の子供たちもたくさんいた。

でも、私は友達と遊ばない子だった。
一度だけ、同年齢の子供たちと遊んだが、いつも一緒の仲間ではないから
仲間はずれにされた。それ以来一年生になるまで友達はいなかった。
そうそう、ひとりだけいた。同じ年の男の子Nとだけは遊んだ。
となりの山の家に住んでいた。今ではアパートのような
木造だけれど3階建ての家で、3階に間借りしていた転勤族の家族だった。
彼は一年生になるその年に、引っ越して去った。

あの時、あの切なく悲しく、胸が張り裂けそうだったあの感情がたまらなく懐かしい。
その家は壊された、2階建の家に変わっている。
草取りをしていると、その家からピアノの音が聞こえる。
草取りもいいものだ。





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