孫へ
ばばちゃんのお母さんのこと話しておきます。
我慢強い人です。
冬になると、
屋根裏部屋は垂木が丸見えの狭い空間に一台の機織り機があってね。
ガタコンガタコンと音がするのよ。
ばばちゃんは3歳くらいだったかな
お母さんの側にいたかったけど
寒くてね、すぐに屋根裏部屋をでてコタツのある部屋に逃げ込んだよ、
ばばちゃんは弱虫だった。
春になると
田んぼと畑仕事がはじまるんだよ。
鍬ってみたことないよね。
トラクターなんて便利なものがないときに
畑や田んぼを耕す道具でね。
冬の間に雪に押されて硬くなった土を掘り畝を作るんだよ。
田んぼにはカエルの卵がいっぱいあってね。
ばばちゃんはオタマジャクシが大好きでね。
毎日見て楽しんでいたよ。
ある日、田んぼにオタマジャクシがいなくなって
泣いたんだよ。
ばばちゃんは泣き虫だったんだ。
お母さんは優しく
オタマジャクシはカエルになったんだよ。って教えてくれたよ。
一番嬉しかったことは
ふきの葉っぱに木苺を摘んでくれたこと。美味しかったよ。
夏になると
畑にアマウリや、スイカ、ナスにキュウリがいっぱい採れてね。
美味しいくてね。ほっぺが落ちそうになったよ。
スッカンポっていう草の皮をむいて食べたりしたよ。
秋になると
台風が来てね。
ばばちゃんのお母さんとお父さんは朝早く、稲が干してある、ハゼバにむかった。
おっかない顔をして
でも、ばばちゃんは庭の木々が踊っているから
楽しくって外に出て風さんと遊んだら、ばかもんって怒られたよ。
昔々のお話だよ。
ばばちゃんのお母さんは強い人だからね。
今も病院で頑張っているんだよ。
母の日に母をおもう。
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