2015年8月31日月曜日

私の夢



昨日は天国と地獄の境界線を行ったり来たりと
心の落ち着かない一日を過ごしました。
それは、豆撰の生搾り機械の入れ替え日だったからです。
豆撰創業以来、一貫してこだわり続けた
昔ながらの「生搾り製法」、豆を水につけ生のまま搾るのです。
搾るのは、石臼の機械です。
この製法は今では、ほとんど使われていません。
豆を煮てから搾る、煮搾りが主流です。
簡単に、豆乳量も多くとれる為です。その分、皮についている大豆独特のえぐみが豆乳に入ってしまいます。
しかし、生で搾ると、豆の皮、つまりおからと豆乳に分けられ、
えぐみはなく、高糖質、高蛋白質の、豆の香りがする、美味しい豆乳になります。
時代に沿う、量産よりも
こだわり続けたものは「美味しい豆乳」を作ることです。
26年使い続けた、生搾りの機械も限界を迎え、
新規導入となったわけです。
いつもより少し長い夏休みをとらせていただいたのは、
この生搾り機械の入れ替えがあったからです。
ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ございません。
それでも美味しい豆乳、美味しいあぶらげを作り続けるための
入れ替えです。
朝から、私の心臓は高鳴り、私自身の仕事も手につかない状態でした。
工場に入るのは遠慮していました。
怖かったと言った方が正解かもしれません。
幾度となくスタッフに様子を聞き、焦る気持ちを、なんとか抑えようと自分の仕事に集中?してみたり、FB友達に書き込みをしたり、
幾度もコーヒーを口にしたりと
居場所のない、居心地の悪い長い時間を過ごしました。
夕方近くになり、妹から「できたから味みして」と言われ、
恐る恐る工場に行きました。
あぶらげがいつものように串にささって油切りされています。
姿形も、まずまず、成功に近い。この感激は言葉では表せません。
そして、社長と私と妹で最初の試食です。
味もいける。もう少し濃度が上がれば、本来の生搾りの特徴をだせる。
美味しいあぶらげになると確信することができました。
あぶらげ作りの大変さは機械の働きも大きいのですが、
それ以上に、人の感性が重要になってきます。
水切り、揚げ方には、相当の熟練、つまり感性が必要となります。
工場に入らなくなって、もう10年くらい過ぎます。
社長と妹の感性を信じています。
出来るはずですが心配と不安は
相当のストレスとなった長い一日でした。
あぶらげ作りに取り組み26年が過ぎようとしています。
今回の大仕事は創業以来の、大掛かりな仕事でした。
私の夢は
社長と妹とそして、美味しいと言ってくださるお客様のいる限り、豆撰の仲間と美味しいあぶらげを作ることです。
それ以上でもそれ以下でもないことを知りました。
天国と地獄の1日でした。
明日からは、自信を持って、販売に向け頑張ります。
皆様の応援、よろしくお願い申し上げます。

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