2016年6月1日水曜日

もみじいちごの想い出



最後の筍採りに出かけた夫が持ち帰ってきたものは
懐かしく、甘酸っぱい味の「もみじいちご」の写真でした。
私たちの子どものころは「さがりいちご」と呼んでいました。

父と母と私は、山道を上り、沢にある田んぼに向います。
その途中で、母は手を伸ばし「さがりいちご」を
ふきの葉いっぱいに採ってくれます。わたしの大好物のおやつでした。
父と母の田植え姿をみながら、さがりいちごを食べたり、田植え最中なのに
おたまじゃくしを捕まえてとダダを言ったりする私。
田植えを終え、日が沈むと、苗の入っていた馬かごに
私は乗り、ゆらりゆらりとゆられ、いつの間に眠ってしまい、
家の前で起こされるのです。
なんてのどかな、平和なしあわせの日々だったことでしょうか

「お父さん、食べてみた?〜美味しかったでしょ、採ってきてほしかったな」と
私が残念そうに訴えると「昔みたいに甘くなかった、酸っぱかったぞ」と応える夫。
幼少の時食べたさがりいちごが最高のおやつに思えたのは美味しいものがなかった
時代だったっただけではありません。
親子、友達たちが一緒に過ごす大切な大切な時間だったと思うのです。



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