2016年7月30日土曜日

沖縄の海をみつめて 3

沖縄旅行計画書を含め、飛行機、新幹線チケット、もちろん
宿泊ホテルのクーポン、その他の大事なものが入っていたバックを忘れた私。
私のあわてんぼう人生の中で一番の失脚、失敗、失態、過失、これらの失の文字を
いくつ重ねたらいいでしょうか、東京タワーいえスカイツリーの高さを超える
惨事だったのです。
まず、首里城付近にある警察派出所を探しました。
道行く人に恥も外聞もなく尋ね、やっとたどり着いた派出所は無人でした。
無人派出所にはメモがおいてあり、緊急の場合はこちらに連絡ください。と書いてありました。
悲鳴に近いかん高い声で私は事の次第を
必死に訴えました。新潟から旅行に来たこと、大事なものが全部詰まっていることを神様にお願いするようにすがって話したのです。
それでも、結果は無残。届けられたら連絡します。といわれ電話を切られてしまいました。
私以上に落胆した叔母夫婦を想像してみてください。
次にタクシーの色からタクシー会社を割り出し、電話してみました、しかしここでも、あっけなく、届けはありません。
仕方なしに、とにかく昼食を済ませ、
叔母が車いすに乗っていたので首里城では特別の通路を通り、並ぶこともなく、すんなりと見学ができました。とは言え、今となっては王の椅子があった事くらいしか記憶にありません。

その後、警察からもタクシー会社からも何の情報もないまま、宿泊ホテルの名前をタクシーの運転手さんに話していた事で場所も特定する事ができ、取りあえずホテルへ初陣のように、娘を筆頭に、籠の中に叔母夫婦を乗せホテルフロント、すると、なんとバックが届けられているではありませんか。
さっきまで警察とタクシー会社のそっけない
態度に憤慨していた事は全く忘れ、沖縄人は神様仏様と思った次第です。
ホテル最上階階でリッチな食事。叔母の食欲は病の重さに比べ旺盛。
でも、右手の不住さと痛みは相当ひどく、左手を添えて、やっと口にするのでした。
ステーキは食べやすいように一口サイズに切ってもらいました。

満足そうに、美味しい美味しいを連発する叔母をみていると
こみ上げる涙を必死に堪えるのでした。
ピアノの伴奏リクエストに叔父は
事もあろうに「ママと最初のデートに観たあの曲を頼んでくるよ」と
ああ、叔父は空気が読めない。
どうして、この曲を今リクエストするの、
その曲を聴きながら、叔母の心は何を感じたのだろうか
一瞬、遠くを見つめ黙ってしまう。
その曲は映画「ある愛の詩」でした。
1日目の珍道中から
那覇を一周し、いよいよ沖縄の青い海を求め
島に四人は旅たつのでした。
続きはまた……。









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