「孫は可愛いでしょ」と。
確かにガラス細工のように不思議な輝きを感じる。
亡き父は異常なほど孫のYを溺愛した。
それは心と心を触れ合わせるような愛だった。
そこで娘の私はたった一度だけ父に聞いてみた。
「孫と子供とどっちが可愛いの」と
するとこう答えました。
「そりゃあ、子供に決まってる」
私も孫が誕生した時
まだ実感もなく、いい年になっている大人の娘の方が心配だった。
普通の環境で孫の成長を見ているわけでない。
目に見えない不思議な電波は動く画像として私の目の前に現れる。
機嫌のいい時、悪い時、離乳食を食べる時、絵本を見る時と
その時を笑いながら見つめるのです。
日本とヨーロッパ人の間に生まれ、そのふたつの国のどちらにも住んでいない孫は
中間を浮遊しているような気持ちでした。
娘がどこの国に住んでいても、娘はいつも私の娘であり、娘は日本人です。
でも、今日、孫たち親子3人は父親の国に戻ります。
すると、凧の糸が私の手から離れてしまったように、孫も離れてしまうような
寂しさを覚えるのです。
父に問うた言葉に本当は答えはなかったのに
父は娘を思って「そりゃあ、子供に決まっている」と答えたのであろう……。
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