2018年7月24日火曜日

賑やかだった馬市 7月24日はあぶらげ寿司の日でした。




私が子供の頃は栃尾の街は賑わっていました。
一之渡戸(今は栄町)には栃尾と悠久山を結ぶ鉄道があり、
7月24日は馬市の日は特に大勢の人が栃尾鉄道に乗って遠くは魚沼、長岡、見附からやってきました。
我が家にもおばば(祖母)の姉妹、おばばの小姑達が馬市の日には買い物を楽しみに見附からやってきました。
そして、一晩泊まるのは習わしでした。
馬市の日はご馳走が並びます。母の手作りのあぶらげ寿司が大皿に並びます。
大きな鍋に2等分したあぶらげがグツグツ、グツグツと煮付けられる、甘しょっぱい匂いがたまらなくなります。
私は母の手のそばにくっつき、人差し指でちょっかいを出します。味見をするのです。
母は「もう少しで、できるから待ちなさい」と私を諭します。煮付けられたあぶらげに、ギュウギュウと酢飯が詰められます。喉がごっくんと音を立てる。
そして、あぶらげはイカ飯のように輪切りになるのです。
たまに、母はあぶらげを指で割く時失敗する事がありました。この失敗はしめたものです。
お客様のご馳走になる前に、私は失敗作をいただけるのですから、そりゃあたまりません。母のそばを離れるわけには行かないのです。
一枚の大きなあぶらげは6個のあぶらげ寿司になり、
大皿には30個位が2皿に盛り付けられます。
その他にはユウゴとナスと車麩の煮付け、
それから何日も前から井戸に棒鱈が投げられます。
「母ちゃん、棒鱈井戸に入れておいたかの」とおばばがいいつけます。
このいいつけの声こそ、ご馳走が近々食べられる合図です。
馬市は、ご馳走が食べられるそれはそれは嬉しい賑やか一日となるのでした。

今日は馬市の日
むかしむかし、半世紀以上前のことを想い出しました。

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