2016年5月6日金曜日

ニューシネマパラダイス

「キネマの神様」を読み終えたら、もう絶対に、一秒でも早く「ニューシネマパラダイス」を観たくなりました。仕事帰りに、借りてきました。三時間の長編作品ですが、まるで時間を感じさせないのです。トト少年は映画が大好きでした。母親に叱られても、劇場に通い、大人の映画をのぞき見するのです。トト少年をまるで父親のように愛する映写機技師のアルフレードとの絡みの数々、牧師さんも観衆も子供たちも、私を笑いの渦の中に引き込むのです。 
少年の顔にフイルム技師が手をかけると。少年から青年に俳優さんが変わるのですが、それがとても自然でした。それは、この映画の演出のうまさなのでしょうか?そして、主人公トト青年は恋をするのです。恋人エレナに会える日までカレンダーの日付に丸で囲んでいくのです。あら、あれ!このカレンダーは1954年です。私の生まれた年ではありませんか!これって偶然でしょうか?いいえ、キネマの神様の仕業です。私の生まれた年の世界を観せてくれたのです。トトとエレナの恋物語はまるでロミオとジュリエットのような切ない恋。映写機技師のアルフレードは父親のようにトトを愛するがゆえに、ふたりを別れさせてしまうのですが、ここは、あまりにも切なさく、涙無くして観ることはできませんでした。
ラストではカットされたキスシーンを一本のフィルムにまとめておいたアルフレードの遺品を中年になったトトが涙ながらに観て、何を思ったのでしょうか?エレナとアルフレードが自分に注いでくれた、ふたつの愛・・・・・・。
シネマの神様にお聞きしたいと思いました。

映画が最高の娯楽だった時代をテーマに作り上げた、この映画は素晴らしいと思いました。この先何年たっても、言葉には言い尽くせないこの感動は私たちの次の世代に続くことでしょう。
その反面ラストに気が沈み、なんだか心がもやもやしました。

私にとって、映画とは最高の哲学書なのかもしれません。

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