2018年12月2日日曜日

母の手のように優しく






豆撰の栃尾の油揚げ作りの
ほとんどは人の手によって作られています。

生搾り豆乳に、にがりを加え、凝固させます。
それを、無数の穴の開いた栃尾の油揚げの型箱に流し込み
水分を抜きます。
ほどよく水分の抜けた栃尾の油揚げの生地は
水槽に入れられ、あく抜きをします。

この時一番必要とされるのは五感です。

水槽に入った時の大豆の甘い香りはその日の出来上がりの良し悪しがわかります。
工場内の室温と水槽の温度を肌で感じます。
湿度の変化から空気の音も毎日違ってきます。
もちろん、形や重さもいつもと同じかどうか確認しなければなりません。

水槽の中の大きな生地はとても柔らかです。
研ぎ澄まされた五感を使って、手で生地をすくいます。
その手は、まるで生まれたばかりの赤ちゃんを
そっとそっと優しく優しく抱きかかえるように
水槽からすだれに移します。
そして、
5本の指と手のひらを上手に使って一枚一枚を並べます。
水槽から取り出し、すだれに全部並べる動作は
母の愛情と同じです。

この生地切りのスタッフはベテランお母さんの仕事です。
そのベテランお母さんの仲間入りをはじめたのは
まだ若い男性スタッフです。
ぎこちなかった手がお母さんの手に近づいてきています。
五感を使って母の手を真似ているのです。

機械化されていない豆撰の栃尾の油揚げの技は
見て、真似て自分たちで感じることだと思っています。

私もベテランスタッフも若いスタッフも
母の優しい手で育てられました。
母の手を思い出しながら、私たちは栃尾の油揚げを
作っています。


 


 



 

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