2018年12月5日水曜日
栃尾の水は生きている
『お母さん、東京に行くなら水筒もっていかんばんよ』と出張に出かける私に
真剣なまなざしで訴えた幼かった娘の言葉を思い出しながら書いています。
栃尾は名峰と言われた守門岳の麓に位置している盆地です。
神秘的な森に囲まれその森から数々の湧水が流れています。
この森の中で美味しい湧水を見つけた先人たち
遠い昔にさかのぼれば静御前のお墓が栃尾に存在する伝説、
上杉謙信が出城とはいえ「城山」を築いたことも
この地に湧水があふれていたからではないだろうか。
湧き出る源泉は、西谷川、来伝川、塩谷川の支流を集め刈谷田川本流となります。
この湧水は
栃尾に住む人々の.「生きる」力だと言っても過言ではありません。
なぜなら、その昔から現代にいたっても「おいしい水」を
私たちは飲み続けることができているからです。
刈谷田川の上流「栃堀」に存在する上水道は全国でもまれな清らかな水です。
取水に集められた水には、まったく「生活雑排水」が入っていません。
この水を当たり前のように飲み、日々を過ごしていることに
感謝しなければと思っています。
そして、その感謝は栃尾の酒に、杤尾の油揚げに生かされていると思います。
湧水のひとつである、全国名水百選に選ばれた「杜々の森の水」は特に有名です。
この湧水は、灌漑用水として飲料水として村人の生活を支えた命の水でしょう。
この湧水が子々孫々まで絶えぬように.と創られた
「女人禁制」のお社伝説は森の神信仰と結びついていたようです。
今では、この森は憩いの場となり観光客や茶人など、多くの人たちにが
集まる栃尾の名所となっています。
美味しいあぶらげが300年の歴史とともに生きている由縁は
杤尾の湧水にあるのではと思っています。
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