2016年8月7日日曜日

12人の優しい日本人

舞台から映画へ
三谷幸喜さん脚本の映画です。
「もし日本にも陪審員制度があったら?」という架空の設定で描かれるコメディ風ミステリーな映画でした。
1991年の作品ですから随分昔になります。
結構この方の映画は好きで何本かみているのですが
初期の頃の作品を観る機会はなかったようです。
この映画を見始めると、人数の移動がありません。それどころか撮影場所も一か所なのです。しばらく見ていても
どうも設定場所は変わらないようです。被告の顔やその夫子供も登場しないのです。
もともと舞台のための作品だから、映画には少し、物足りない感がありました。
ところが、どんでん返しのどんでん返しが進む展開に、びっくりです。
セリフと表情、12人の絡みを観ているうちに、この12人のそれぞれの個性を上手く引き出しているのです。一つの事故を通して、いろいろな見解を披露していく、回転の速さは三谷幸喜ワールドでしょう。舞台をスクリーンに変えていく技も見事です
ところが、終わってみると12人の個性が自分の中にもあることに気づきました。
無関心、仕事一筋、几帳面、理屈屋、正義感、などなどの個性は映画では12人に表現されているのですが、誰にも多面性があるのではないではないでしょうか。
この陪審員たちは12人でしたが、その12人の心の底にある共通点「優しさ」はみんなの心にあったのでしょう。そしてそれは日本人の心かもしれなと思いながら
全く風景一つない、空間だけの映画は摩訶不思議でした。
映画の作り方もいろいろあること知りました。
心理と真実の融合ってことでしょうか?
この作品のテーマは難しいと思う次第です。わからないのです。
答えはまだ見つけることができません。






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