2016年8月26日金曜日

楽園のカンヴァス 原田マハの魅力

原田マハさんの本を友達に勧められ
その魅力にはまり始めている私です。
本日はお日柄もよく、キネマの神様、カフーを待ちわびて、などなど。
そして、先日読み終えた「楽園のカンヴァス」
この本の魅力は絵心のない私(絵を見ることは好きです)に、
絵の中に潜んでいる情熱を知りたいと思わせる魔法の文章です。
大原美術館の監視員をしている織恵の生活を
覗き見したくなるような仕掛けが非常に上手なのです。
一体織恵の娘の父親は誰なのかと
興味をもたせながら、話は有名画家ルソーにまつわるミステリー小説に
早変わりするのです。
原田マハさんが物語を創りあげる時は
最初から絵を描くように、そこに素敵な風景があったり、モデルが存在して
構成図は出来上がっているのだろうか、

また、題材のグランドは世界です。世界中を飛び回る物語の運びは私を惹きつけます。
まだ一度も行ったことのないパリの美術館には大きな夢があり、
一生のうちに、いつか訪ねて、本物の絵とお話しできたらどんなに素晴らしいだろうかと思わせる、素敵な表現者です。
物語の幕引きは
どう解釈したらいいのでしょうか
15年も織恵を思い続けた人との再会。
この先は、どうぞ読者の皆様がお考えになって、紐解きをしてください。
と言われたようです。
実は、私の心の中では、私なりの映像がすでに出来上がっていました。
「夢をみて」の中で永遠に生きた女性は
織恵なのかとふと重ねています。
子供の頃飲んだコーヒーは、苦くて苦くて、
少し大人になったらコーヒーの味がわかりかけました。
それから、挽きたてのコーヒーの味を知ったような
「ドキドキ」感がたまらない一冊でした。

さて、
永遠に生きる私の場所はどこかしら
やっぱり、長年連れそってもらった、たったひとりの夫かしら・・・・・・。


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