「白鯨」は二作存在していたようです。
今回観た作品はウィリアム・ハート主演でした。
1956年版も観てみたいとあらためて思っています。
鯨といえば、缶ずめでした。赤身に糸コンが入っていて柔らかくて美味しいものでした。
夏になると脂身を夏バテ予防にユウゴウ汁にしました。
捕鯨に対する規約のなかった時代ですが、鯨は高級なものでした。
物流網が今のようになかったせいでしょう。
小学校では哺乳類の中で一番大きな動物と習いました。
陸では像、海では鯨と勉強し、その時海を見たことがなかったので
とても感激したことを覚えています。海を初めて見た時、小学2年だったと思います。
水平線を見つめるとそこには大きな鯨が見えました。大きな船と行ったことのない世界を想像し、夢を膨らませたものです。
それから近年では、世界中で鯨は食べない人間の多いことを知りました。
我が家の義理息子は絶対に食しませんから。
こうした現代の社会情勢を考えると、この作品自体に大きな問題を抱えているような気がします。
正義と神、呪いと魂。いかなる時も船長に従う鉄則と間違っていると思いながらも、
白鯨に奪われてしまう魂。
神がかり的な、そしてやるせない気持ちが、どんどん大きくなってしまう映画でした。それでも、この作品を映画館で観たら素晴らしい映像だったのではと思うほど、海に浮かぶ船の帆は美しい画像でした。
原作長編小説を読む機会があったとしてもきっと途中で放棄したであろう、映画だから最後までドキドキしながら見ることができたと思う。映画の力は神がかりの世界かもしれない。そして、人間には運命が定められているような気がした。
0 件のコメント:
コメントを投稿