2013年7月29日月曜日

栃尾の石積そして近づく盆さん





親に先立った不幸をわびて、賽の河原で石積み、それを鬼が出てきて崩してしまう。子供たちは指から血を流しながら休みなく石を積む。一年に一度、地獄の釜も休むという8月7日。石積から一日だけ開放された子供たちにかわって、子供たちの霊を慰めるため現世の人たちが石を積む。栃尾に伝わる、素朴で心あたたまる、民俗行事です。

この時期と同じくして、栃尾では盆さんという行事が8月1日~8月7日にそれぞれのお寺で
行なわれます。
本来は先祖の御霊をお迎えし、ご供養のための行事だと思われますが、
私は、大人になるまで、お寺様が年に一度、檀家さんに、朝ご飯を振舞う日と思っておりました。
その献立は栃尾の油揚げと野菜の煮物。お漬物にお味噌汁です。今のように、食べ物の豊富な時代ではありませんでしたから、栃尾の油揚げの煮物は
ふわりとした甘さが口の中にひろがるご馳走でした。
年に一度、祖母に連れられて行く、盆さんは、楽しくって仕方なかったことを
懐かしく思い出しております。
そして、石積の季節、盆さんの季節が近づくに連れて、生まれてまもなく、この世を去ったしまった
私の妹「まりこ」を思い出します。母が私に見せた最初の涙でした。どうして母が泣くのか3歳の私にはわかりませんでした。

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