2025年5月8日木曜日

ご利益かな 人を繋いで

 栃尾の小さな村に伝わる伝説の神社南部神社別名「猫又権現」言われは行く通りもあるようです。

今回は栃尾を舞台に映画「モノクロームの少女」をつくられた五藤利弘監督に頼まれて奉納のお酒を届けに行きました。

この神社の階段は結構傾斜がきつく長いのです。

このお酒を届けにきましたとわけを話しお酒を渡そうとしたら、「ご利益がありますから持っていってください」とのこと。重いからと思って階段下でお渡ししたかったのです。

でも、ご利益 ご利益と気を取り直し神社内まで運ぶことに。

お酒を奉納するとご利益ありますと猫のお札と家内安全商売繁盛のお札に誘導され2枚ずつ購入する自宅用と豆撰用である。お隣さんは燕市からの参拝者。映画の説明とYouTubeでも観られますとしっかり宣伝する。

お参りを済ませ階段を下りる、両脇の蝋燭がゆらゆら。小さな旅そのものだ。蝋燭の灯りは心の灯り。ゆらゆらと悩みを消してくれる。

さて神社を後に帰ろうとすると「どこからきたの」と老婆に尋ねられる。町から来たことそして豆撰です。と答えると「平の人じゃあないかの」と問われる。その人の娘さんは養女で夫の親戚の老婆は実母である。「お世話になっています」と養女と実母の話がはじまる。私にとっては血のつながりもないのだが、この老婆と出会えたことがご利益に思えて仕方がなかった。人と人を結び、あぶらげを送ってもろうてありがとございます。と感謝される。いえいえ、反対ですぞ、買ってもらってありがとうございますはこっちの方です。

これはご利益に違いない。奉納を頼まれたことも人と人の繋がり、今日初めて出会った老婆との会話の中にも人と人の繋がり。ご利益とは人と人の繋がりである。

日日是好日

2025年5月6日火曜日

自由ほど退屈なものはない

 朝4時起床

まだ早い スマホを見て メールを見て

ようやく5時

朝食準備 その間コーヒーを一杯

ピアノ20分レッスンする

これがまた背中の痛みになるのだが

練習しなければ何も進まない

挫折を繰り返て早4年目に突入

ようやく「夢」の楽譜を最後まで読む

ここまで来るのにどれくらいの月日が過ぎたことやら

通しで5分の曲を20分かかってしまうババさん

朝ドラ2本は定期的視聴しながら朝食

食器を片付けて いや正確には食洗機に入れて

洗濯機を回して

ああ 暇だ

午後からはお茶のお稽古だから

今のうちに散歩 20分

いやだいやだと思っているが

もうじきイタリア族が帰ってくるので

続きのサッシ掃除をする

お父さん(夫)は畑のポット作り

昨日アスタとひまわりを買ってきたので

その準備のようだ(私のガーデニング初挑戦のため)

暇だ暇だの割に時間は過ぎていくようだ


自由とは結構つまらないものだ

自由は手に入るといらないものだ

さて お昼の用意をしようか

日々是好日


2025年5月3日土曜日

家族がそばにいたら

 ご存知の通り、私は老夫婦だけで暮らしています。

朝の目覚めは早すぎ、鳥の囀りより早く目が覚めてしまいます。平均睡眠時間は5時間くらい。相棒がトイレに行く度に目が覚めてしまいます。お互い様なのですが!

朝ごはんも昼食も夕飯も私が担当になってしまいました。私が働かなくなったらお父さんはご飯作りは卒業したようです。誰も卒業証書なんて渡していないのに、自主的に卒業してしまいました。

お掃除も終わりお花も変えました。スーパーに行って、お肉屋さんに行って、お買い物を済ませました。ちょっと持病の背中が痛む。腰を曲げると骨と骨の間の軟骨が減りすぎクッションがなく神経に障るようです。まあ仕方ない、2度の骨折経験者ですから。

テレビをつけるとラッシュだとか帰省とかワイワイ楽しそう。こちらは家族は遠いイタリアですから簡単に帰省とか里帰りなんてありません。実に寂しいものです。

お昼はお肉屋さんで購入したアジフライ。たまには手抜きも必要です。老夫婦は会話なく、テレビニュースを見ながらお腹を満たすのみ。

老後は楽しく、仲良くなんて夢を見ていたが、現実はそんなものではないようです。

とは言え、生ごみの処理(乾燥機にかけて肥料にします)空き缶、ビン、新聞まとめはお父さんの担当。もし私がひとり残されたら、ああどうしましょう。もしかしたら、ゴミ屋敷になるかも?

世の中連休で幸せ満開なのに

家族が日本にいたらと思う連休です。

でも、明日はお友達と筍パーティーです♪

日日是好日



2025年4月24日木曜日

足元の春 星野富弘様ありがとうございました

 念願かなって

群馬県みどり市の「富弘美術館」に行ってきました。

遡ると20年の間、我が家のリビングのカレンダーは「星野富弘」さんの詩画で癒されていました。

平成7年の⒎11水害で我が家は全壊しました。そして新たに土地を購入して、家を建てました。その時の建築家さんからいただいたカレンダーは野花の水彩画と詩の描かれたものでした。

お父さん(夫)は野花が大好きな人です。ですからそのカレンダーをとても気に入って大切にしていました。毎年月別日数だけのカレンダーを購入して、詩画集はいただいた時のものを再利用してきました。

優しい絵だよね

優し言葉だよね

私たち老夫婦は実はこのカレンダーの作家について知らなかったのです。星野富弘さんが亡くなるまで。

「お父さんこの人凄いね、体が動かないのに、口に絵筆を持って、絵や文字を描くなんて、でも亡くなったんだって」と私が新聞で見つけた記事の話をすると

「おい、オレの作っているカレンダーの人じゃあないか」

とわかって、私は富弘さんの自叙伝やら本を読みました。そして、我が家の歴史を飾り続けてくれたことに感謝しました。なんだか知らないけど感謝と御礼がしたくて、いつか富弘美術館に行きたいと思っていました。

今日はその日でした。4月24日生誕の日だなんて知らなかったのですが、私たちが詩画を観ているとみどり市の広報担当の方が声をかけてきて、いろいろ話をして、最後に「今日は富弘さんの誕生日です」と教えてくださりました。

今日は、お父さんの病院の診察日でしたが変更してもらい、朝6時に出かけたのです。もしかして、星野富弘さんが私たち老夫婦を招待してくださったのでしょうか

ビデオを観て、富弘さんに「ありがとうございました」と言いたいのに涙が溢れて言葉になりませんでした。


またお会いしましょう

星野富弘様へ

            多田礼子


ドキュメント映画のように

 川辺に2列縦隊で並ぶ桜

山のてっぺんで一本咲き誇る桜

公園でスクラム組んだ桜

でも

私は裸足で駆けまわったグランドの桜木が

一番好きだ

古い木造の教室から眺めるていると

ももいろの風がふく

60年前のドキュメント映画を想う

2025年4月21日月曜日

チューリップと水仙

赤 白 黄色

ふくらんだチューリップ3本

白 黄色

水仙2本

我が家の仏壇に供える

手を合わせて

ここからでも聞こえますか

父ちゃん 母ちゃん 姉ちゃん

階段から落ちて23年

ハンモックから落ちて何年だろうか

背中の痛みは

心の痛み

いつになっても続く

もう終わらせてください

ねえ、父ちゃん 母ちゃん 姉ちゃん






2025年4月14日月曜日

拝啓 やなせたかし様

 保育園勤務だった頃発表会に「手のひらを太陽に」を選んだことがあった。今から40年くらい前だった。軽快なリズムと詩が好きだったから選んだ。

作詞:やなせたかし     作曲:いずみたく


ぼくらはみんな 生きている
生きているから 歌うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから かなしいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮(ちしお)
ミミズだって オケラだって
アメンボだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ

ミミズだって オケラだって
アメンボだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ

ぼくらはみんな 生きている
生きているから 笑うんだ
ぼくらはみんな 生きている
生きているから うれしいんだ
手のひらを太陽に すかしてみれば
まっかに流れる ぼくの血潮
トンボだって カエルだって
ミツバチだって
みんな みんな生きているんだ
友だちなんだ


朝ドラ「あんぱん」がはじまって、

40年前に子どもたちと歌ったことを思い出しました。

子どもたちはミミズやオケラ、カエルが大好きです。

楽しく元気よく歌ってくれました。


もし私がこの頃やなせたかし様のことをもっと存じ上げていたら

子どもたちに歌詞の意味を聞かせてあげられたのに

と今になって残念がっても後の祭りですが。


その後は保育園を退職し、豆撰一筋の生活でしたから

この頃の漫画やアニメへの関心度はゼロに近かったようです。

アンパンマンの正義、生きる喜び、自分を犠牲にして助ける勇気など知ることはなく、知ろうともせず過ごしていたようです。


朝ドラのおかげで梯久美子著「やなせたかしの生涯」の本を購入しました。一気読みしました。幼い頃父を亡くし、母との別れ、伯父を失い、戦争を体験、戦争で弟を失い、

それでもぼくらは生きているんだと生涯を生き抜いたやなせたかし様の生き様が「アンパンマン」につながっていることに感動と自己反省の両方を感じています。


やなせたかし様の戦争経験で一番苦しかったことは空腹とおしゃっていましたね。正義が一変して正義でなくなったとも。このふたつのことが私の心に深く残りました。そして最後に愛する奥様が病気になって亡くなられ、どんなに悲しかったことでしょうか。私まで自然と涙が流れてしまいました。


さて、今日はいとこがやってきたのでふきのとうをとりに我が家の山畑に行ってきました。

ふきのとうの天ぷら写真と自然はいいねの言葉が添えられたメールが届きました。


生きている。食べることは元気の源ですね。

やなせたかし様ありがとうございました。

奥様とワンちゃんと何を食していますか?

お願い事があります。お腹いっぱい食べられるように

戦争をやめさせてください。


天国にお住まいの

やなせたかし様

                 多田礼子


                   敬具