2025年9月12日金曜日

老木と老人

 畑仕事もひと段落して、老人夫婦はカラダと心の静養に舞子高原ホテルにやってきました。

途中の風景の活気を失ったスキー客用のロッジや宿泊施設が映ります。夫はリフト待ちで大変だったよな!と半世紀前の懐かしい想い出に浸りながら、車の中のテレビに目をやり、いまだに終結しないロシアとウクライナは馬鹿げていると呟く。また夫の口癖になっている温暖化に続く、これからもっと大変になるよなと言う。毎年の畑仕事事情に密接な関係があるからである。朝、夕と2回の水やりは結構な手間である。だが育てた限り最善を尽くさないと気が済まない性格。私も同行して草取りをする。アスパラ畑の草取りはいつのまにか私が担当になりました。

どうなるのだろう

戦争と温暖化

食糧状況はもちろ住宅もレジャーも変わって、おまけにAI社会になり老夫婦はそれについていけず、右往左往している。スマホなしでは生きていけない世の中になるとはため息だらけだ。若者が同居していればすぐに教えてもらえるだろうが私たちは老人2人きりだからなかなか時代についていけない。など2人で一人前を確認しながら目的地に到着する。


せっかく高原に来たのだから

散歩をしましょう。嫌がる老兵を引っ張って、小高い丘を上る。

道の脇には大木の桜並木。

私は「あらあ同級生!」と老木に語りかける。

あなたはここでどれだけの人々と語り合いましたか?

私は幹のむけた老木の皺にたくさんの人たちと語る勇姿が見えるようだ。

今日ここにくる前に叔母を見舞ってきました。

すると叔母はこう言いましたよ。

相談する人がみんないなくなってしまった。ひとりだと孤独になる。寂しいと涙を流して、お昼までいてほしいと私の手を握って離さなかったのよ。叔母は93歳です。ベッドに横たわる叔母は大橋家の人々を支え助けてくれた縁の下の力持ちだったのよ。

老木は背の低い私を見下ろして優しく微笑みながらいつか通る道ですよ。と言いました。

日日是好日







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