来年は70歳を迎える。夫と二人暮らし。子供一人。孫一人。
私の人生の宝物である。
そして、その宝物と並行して色々な人に出会って、別れて、の繰り返し。
この日は、ピアノレッスン仲間のお友達とミュージカル「生きる」を観ました。黒澤明映画と重ねながら、そして亡き父や母、お友達のことを思いながらの鑑賞でした。一度の人生をどう生きるか、主人公演ずる市村正親さんの後半のブランコシーンは映画と同じく心に響く。
命短し恋せよおとめの歌詞とメロディに涙が頬を伝う。癌と宣告された絶望感。絶望感の中で、彼は区民の要望である「公園」作りに取り組み、それをやり遂げる。命の限り誰かのために頑張る主人公と子供の絆が描かれていた。自分の子供がブランコに乗った時の笑顔が忘れられないからこそ公園を作りたかった主人公の想いが伝わり涙が止まらなくなった。ブランコに揺れて彼は天に召されて逝った。
親の気持ちは若い息子には伝わらない。私もそうだった。親がこの世にいなくなって初めて親に感謝した。死は親の心と子供の心を通わせることにもなる。
役者の素晴らしさとセリフに合わせた生の演奏の迫力はすごい。特にバイオリンとテンパニーは素晴らしく心に響いてグッときた。
映画とはまた一味違う。役者と演奏者と観客がひとつになるライブ感がたまらなく好きだ。特にカーテンコールに寄せる拍手は素晴らしいの連打だ。立ち上がる観客のひとりになる。
帰りの新幹線では舞台の素晴らしさはもちろんだが、夫を亡くした友達とこれからの人生をどう生きるかを夢中で話し合う。苦しいこと辛いこといっぱいいっぱいあったけど、今日こうして新幹線で東京まできて観劇できることに二人とも感謝だね。の結論だった。
ゴンドラの唄を伴奏して、妹に歌ってもらおうかと思った。映画ももう一度。
日日是好日
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