栃尾の街から少し離れた所に荷頃とういう村がある。村の一番外れの家から数百メート先の山道を歩く。山道の入り口に手作りの立て看板がある。立て看板には200メートル先と書いてある。
雪が溶けたばかりの山道は秋に落ちた杉の枝や杉っ葉で埋め尽くされて、とても歩きにくい。坂道になればドロドロのどろんこ道だ。長靴を履いてきたから良かったが、滑って転んだらひとたまりもなく服は泥まみれになることを想像して一足一足歯を食いしばりながら上る。ちょっと、よろめいたがセーフだった。このスリルは一体なんだったのだろう。半世紀も前の子供だった頃の私が歩いていた。
道の両脇からかぶさってくる木々が陽の光を遮って小さなジャングルだ。ゾクゾクする。
細長い沼地が見えてくる。ありました。見つけました。緑の葉に囲まれた白い妖精がポツポツ。咲きはじめたばかりだから若い感じがする。こんなところにあるなんて、秘密の場所で妖精たちは自分たちの居場所基地を守ってきたのだろうか。くねくねした沼地は続いてた。ありがとうミズバショウさん。30分足らずだったが、昔を思い出し幸せ気分になりました。
帰り道で出会った老夫婦さんは長靴を履いていなかったけど、大丈夫だったかしら。
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