約1ヶ月もの間、一度もピアノに触ることなかった。
イタリアから戻って2週間目にピアノの扉を開けてみた。黒と白の鍵盤は少し怖く感じた。それは思い出せないであろうか?いや思い出すだろう。とこのふたつの問答が頭の中で行ったり来たりしているのだ。結構練習して結構弾けていたはずの私の指は黒と白の鍵盤に睨まれ、楽譜は宙に浮いている感じだった。それでも勇気を出して楽譜を開いてみたら、いい感じ弾けるかもと思ったら3ページ目挫折する。ああやっぱり、ここが一番苦手な盛り上がりの箇所だ。
指は迷路にハマって動かなくなった。私は急ブレーキをかけて楽譜をしまう。案外簡単な課題曲にすぐ移行する。これなら楽譜が読めるし、フラットはひとつだけ。やや安心して、まあいいか思い出せなくても別に発表するわけでもない70過ぎのばあさんの習い事に過ぎない。と都合よく解釈する。
そしてその日以来「夢」はピアノから離れていった。
今日は課題曲を数回弾く。間違うけど恐怖心はないい。
ピアノの上に片づけた楽譜が気になってきた。もう一度弾いてみようかと思った。忘れた恐怖心が少しだけ取れて楽譜を見ようとしている。一回だけ四苦八苦しながら鍵盤を叩く。
一日一回でいいことにして弾いてみようかと思えるようになった。
人生は苦もあり楽もある。特に仕事人間だった私には暇は不安が恐怖心を煽ってしまう。
ピアノに向かって思う。もっと気楽に生きたらいいよと。
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