2018年2月28日水曜日

エイジ・オブ・イノセンス

「エイジ・オブ・イノセンス」
DVDの表紙を見ると、随分古い映画のように思えました。
ところが、1993年制作ですからわずか25年前の映画でした。
25年をわずかと思うかどうかは人それぞれです。若い豆撰のスタッフにとっては
浦島太郎の竜宮城感覚かもしれません。でも63歳の私にとっては、25年は「わずか」の
年数です。

さて、ドレスの裾が長く、手には手ぶくろ、ヘアースタイルまで気取って、
ゴージャスです。19世紀後半の社交界の世界です。建物やお庭その他の風景には
重みが感じられ、アメリカと言うよりヨーロッパのような雰囲気です。
その中で、貴族階級を舞台にひとりの男性のゆらぐ心をイノセンスとして映画は作られているのだろうか?


さて、映画の幕開きは、既婚者である女性なら、私でなくても、もやもやしそうな映画作りだと思いました。
ふたりの女性の間で、どっちつかずの最低野郎じゃないの?

最低野郎のニューランドは幼馴染のエレンと婚約者のメイの間で悩み苦しむのです。
エレンは、自由奔放な美しい女性に、エレンの従妹メイは屈託のない愛らしい娘のようにです。ところが、ふたりとも本当の自分ではないのです。ただ演じていただけであり、計算されつくしたことだったようです。好きな人と添い遂げることのできない事情があるエレンには古風で人を思いやる意外な一面が潜んでいます。夫の気持ちを知りながら、知らないふりをして、夫婦として子供をもうけ、家庭を築くメイの女心。
心理描写を読み取っているうちに、この映画の切なさが伝わってきます。
メイが亡くなる直前に母親から聞いた言葉を息子からニューランドは聞くのです。
そして、息子が案内してくれたエレンのアパートを見上げそっと
遠ざかる。このラストシーンはとてもいい。これが運命なのでしょう。
映画はやっぱりラストのこだわりで決まると確信し、勝手にうなずいている私でした。

この映画の魅力と私の好きな映画「花蓮」の魅力には共通の想いがあるように感じました。
どちらも素敵な映画ですから・・・・・・。


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