2023年11月27日月曜日

スタニスラフ・ブーニン



 2023年11月26日

長岡市立劇場は満員。開演のブザーが鳴る。ブーニン登場の前の静けさは異次元の空間に存在していた。ステージに黒く輝くfazioliの文字。

黒いスーツにステッキを手に歩き、ピアノに向かう。ステージ中央の椅子に腰掛けステッキを置き、ハンカチをおき、椅子の位置を確認して鍵盤を見つめる。右手が前髪に触れた後にブーニンの音色が始まった。

YouTubeで聴く音色に心が動かされ、ブーニンが大好きになって、長岡でのコンサートを知りチケットを購入した。本物の奏でる音色は今まで聴いたことがない音色だった。この音色はどこから来るのだろうか指と鍵盤とブーニンの心が一体になっている。ピアノは魔法にかかったようだ。

一部の途中で数分の休み、舞台の袖に歩く。行かないでと叫びたくなった。ステッキと靴の音が聞こえる。すぐに戻って椅子の高さをちょっとだけ調整した。ショパンの音色が再び聴こえる。不思議の国に来たのだ。素晴らし音色を奏でる魔術師に耳も心も釘つけになった。

丁寧に頭を垂れる動作の後、20分の休憩。なんなの、この音、この人は神なの?感動を通り越した奇跡のような演奏に聴衆はざわめく。

2部はシューマンの小作品。初めて聴く作品が多いのに、惹きつけられる。ピアノコンサートで涙が自然と頬を伝うなんて。

演奏終了後のアンコール曲は聴けなかったけれど、舞台袖から向かって左端に姿を見せて、満足そうな笑みに復活と感謝の気持ちが背中のちょっと丸くなった姿勢に感じられた。

過去に目を向け

現在に集中し

未来を夢見る

パンフレットに書かれた言葉通りのコンサートだった。

パンフレットのはじめに「ネイガウス流」を伝えていこうと思っています。と記してあった。知らなかったから調べてみました。https://ameblo.jp/yuji1205pf/entry-12545556014.html

ここにあの素晴らしい音色の秘密があったようだ。次回ピアノレッスンの時にこの事について私のピアノの先生に教えてもらいたいと思っています。

ピアノと私を惹きつけてくれた映画「おかあさんの被爆ピアノ」、金塚楽器店から授かったピアノ、そして妹と友達と一緒にブーニンのコンサートを聴くことができた私の69歳に感謝です。

みなさんありがとうございます。

日日是好日

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