毎日毎日続く雑用と
「おてがみれしぴ」つくりで
私の頭も心もいっぱいなところでした。どこかで息抜きをしないと
前に進めないような気がして
思い切って「起終点駅 ターミナル」を昨夜観てきました。
はじまりの雪景色は見慣れた風景です。
降りしきる雪は寂しさを強くしてしまいます。
9月に観た五藤利弘作品「雪の中のしろうさぎ」を思い浮かべました。
変わる場面場面に、憂いを感じる風景、懐かしいピアノの音色が、とても似ているのです。
そして、登場人物の少ないことにホッとする。
ほとんど、鷲田完治を演じる佐藤浩一さんの感情表現です。
寡黙な表情つくりが三国連太郎さんによく似てきたなと思いました。
ここでも親子の遺伝子の強さ、引きあうものを感じます。
ラストの想いはここにも映っていました。
映画のはじまりは女性である私には
少し不愉快でした。机の引き出しに潜んでいる息子の写真。
愛する子供と妻が存在しているのに
昔の恋人と暮らしたいなんて、なんてダメな男。
このダメ男をしょっぱなから許さない私。
ところが若い本田翼さんが演じる椎名敦子が登場すると
ダメ男はなんだかいい人になっていくのです。
ここでも、「やっぱり」と初老の私が見え隠れしてしまいました。
それでも、脚本の素晴らしさでしょうか、いい人になっていく鷲田完治を
もう、私の中では完全に許していました。
過去の女性を演じる小野真千子さんがなぜ鷲田の目の前で死を選んだのか
そこは、映画だけでは読み取れない・・・・・・。
完治の離婚を覚悟させる気持ちの強さはが一本の万年筆から伝わる。
その強さにこたえられない、女性をうまく表現している小野真千子さんは
素晴らしい、女優さんでした。
男と女の違いはどこにあるでしょうか
女は相手がどんな人であろうと、一度好きになった人なら
許してしまう心の広さがあります。特に私のことですが・・・・・・。
そこに行くと、男は意外といじくじいじくじと頭の中であれこれ考えて
判断しない。おまけに人を許せないのです。そんな人に限って
優しい人がいるようです。
そのひとりが鷲田完治なのかと思う。
夫婦、親子、恋人
それぞれが駅に立つ時は終わりであり、始まりなのでしょうか
とても心が落ち着く素敵な映画でした。
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