晩年
私の両親は結構仲良しだった。
いつも同じ部屋にいたような気がする。
父がひとりで出かけて帰ってこないと
まだ5時にもならないのに
豆撰に電話をかけてくる母
「じいちゃんがまだ帰ってこないんだよ」
と心配する声。
「なんかあれば電話してくるから大丈夫だ
よ」とそっけない返事をする私だった。
父がいろいろな病気で病院通いが
はじまって、
母には父の病気のことは話さなかったから
母はノー天気で
病院に一緒に連れて行っても
「ああ、まだか?」と愚痴ばかり
それを聞いている父は怒る。
こんなだったから
私は「もうじいちゃん、
病院にはばあちゃん連れて行かないよ」
と言ったら
父は悲しそうに
「そう言わないで、連れて行ってほしい」
と涙ぐんだ。
悲愴を弾きながら
父の闘病生活やら母のことを
思い出し
涙ぐむ私。
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