2016年11月17日木曜日

叔父の顔は穏やかに

叔父を長岡の病院に移転させて6日目になります。
ビーハラ病棟に移って2日目だろうか?
なんだか私の方が日日と曜日感覚が失われつつあるようです。
昨日から命の水をいただき、
少し、落ち着いたようにも見えます。
深い眠りを得ることはできないようですが、自分で酸素マスクを調節しながら
大きく息を吐いています。
その都度、胸に組んだ手が揺れます。
叔父は頭の中で、何かを追い求めて、くるくると回っているのだそうです。
何も考えたくないのに、次から次へと追い立てられているといいます。
少し首をかしげる私に
「あのね、例えば赤いセーターが欲しいと思って手に入れるでしょ、それなのにまたそのセーターが欲しくなるんだよ、だからそれをやめさせてほしい」というのです。
私は「そうね、先生にお願いしてみるね」と応えると安心しきったように頷きます。
モルヒネ注射の影響なのか、それとも今旅人になる叔父の道案内人が叔父の魂に宿ろうとしているのでしょうか?
そして、このビハーラ病棟のお医者様、看護師の皆さんの優しい言葉がけに
叔父が遠くを見つめるように
こういうのです。
「こんなに優しく、親切にしてもらって有難うございます。
みんなこの人たちのようなら戦争はおきないね」と。

どの看護師さんも今日の叔父の顔はとても穏やかになられましたねと……。

0 件のコメント: