2017年1月2日月曜日

少年時代 ちょっと加筆して

元旦に届いたものは
セピア色の真新しいDVDでした。
私は嬉しくって嬉しくって、すぐに開封し、観ました。

ラストに流れる、蒸気機関車と出演者の名前に重なる井上陽水の歌声の素晴らしさをどう表現したらいいでしょうか。蒸気機関車の窓から手を振る少年とそれを追いかける少年のちょっと悲しい別れに「少年時代」の歌詞が心を震えさせるのでした。

夏が過ぎ 風あざみ
誰のあこがれに さまよう
青空に残された 私の心は夏模様

夢が覚め 夜の中
永い冬が 窓を閉じて
呼びかけたままで
夢はつまり 想い出のあとさき

夏まつり 宵かがり
胸のたかなりに あわせて
八月は夢花火 私の心は夏模様

目が覚めて 夢のあと
長い影が 夜にのびて
星屑の空へ
夢はつまり 想い出のあとさき

夏が過ぎ 風あざみ
誰のあこがれに さまよう
八月は夢花火 私の心は夏模様

終戦前の日本。東京と田舎の子供の違いは、
わらぐつとゴム長、白くて品のある帽子とくちゃくちゃ帽子など。東京から疎開してきた
お坊ちゃんと田舎の大将の心の葛藤と少年たちの友情物語です。
今の社会でいえばいじめととらえられるかもしれません。でもそうではない、時代の流れかもしれません。少年時代のタイトルのように・・・・・・。

私が生まれた昭和29年でさえ、この映画に近い、貧富の差はありました。
こんなに狭い栃尾という地域でさえ、町の子と村の子では生活様式も現金収入の面でも、
とても差がありました。
もちろん、本を読む習慣もない我が家です。町の子、とくに機やさんの友達の家に遊びに行くと、ずらりと文学全集が並んでいたことを思い出します。気の弱い私は(小学校時代に限り)町の友達の仲間にいれてもらうだけで嬉しく、
黙って、友達の後ろについていた覚えがあります。
だから、木の電信柱が立ち並ぶ草道を歩く少年達。雪合戦、古い木造の校舎。桜並木などのシーンに胸がいっぱいになりました。
元旦の翌日に、またこの少年時代を観ました。
今ヒットしているアニメ「この世界の片隅に」に似ていると思いました。戦争という大きな嘆きの中で自分の想いを貫き通す女性を演じた仙道敦子さんはとても純真で、とても素敵な女優さんでした。
母親役の岩下志麻さんが日本が負け、少年を迎えに行った時、田舎でのんびりと過ごせて本当に良かったという言葉に、否定も出来ない、肯定も出来ない複雑な少年の心が映し出されていました。

そして三回目は、豆撰スタッフを呼んで、上映会を我が家で開きました。
良い映画は何回観ても感動します。その度に新しい発見もあります。
この映画が制作された時生まれていなかったという一番若いスタッフから私に近い年齢のスタッフ様々な年齢の8人の顔は映画終了時には頬が赤く、うっすらと目には涙が光っていました。
お友達の伝えたかった想い……私の仲間にも伝えられたのではないだろうか。

これからも時々、仲間と食事を共にし、映画を楽しみたいと心からそう思いました。

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