2017年1月2日月曜日

元旦に追悼を込めて、乱を観る。

お正月休みは4日間、仕事を忘れ、映画三昧と決めて、元旦は根津甚八さんの哀悼を込めて、いりいろな方が賞賛している黒澤映画「乱」DVDを観ました。昭和60年制作作品らしい。情報は頭の片隅にありました。この頃、私は子育てと保育園の仕事で、忙しく余裕のない毎日でした。E・Tを最後に映画を見た覚えはありません。映画から遠ざかっていた時代のこの作品。
なんとなく、「乱」と昭和の終わりを旅してきたような気分でした。
映画界の大御所黒澤映画の迫力、それは城であり、荒野であり、人物の表情特に仲代達矢演じる領主の乱れはさすがでした。道化師のピーターは一番人間らしい。凄みの演技といえば楓役の原田美枝子です。大怖い、まるで、淀の方のようです。
親子、兄弟の醜い争いは歴史には数々残されているようですが……。
黒澤監督は人間の欲望について訴えているのでしょうか?終盤、三郎の背中に身を委ね、いろいろ話すことがあるというシーンにこそ本来の親子関係のあるべき姿を訴えているような気がしました。これが黒澤監督の本音であり、彼は人間が大好きだったような気がしてならない。さて、次郎役の根津甚八の寡黙な演技は素晴らしいと思いました。楓の虜になる愚かな、それでいて人間臭さを演じた俳優の晩年の映画が見られないことがとても寂しい。映画は時に哲学書みたいで難しいけれど、やっぱり映画は心に残るようです。
乱観賞後、宅配便に乗って素晴らしいDVDのプレゼントが届きました。
この続きはまた後で……。

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