2017年1月24日火曜日

ただいま、74歳の僕。




ここの家族に拾われて14年。

僕は3ヶ月の可愛い赤ちゃんだった。
今じゃあ、人間に例えたら74歳。

テレビを見ていた僕のご主人が「ああ、あと9年か」つぶやいた。
なんだよ。それって僕の歳だろう。変んなこと言わないでほしいな。縁起でもない。


「素浪人 月影兵庫」とかっていう時代劇に出ていた新潟生まれの近衛十四郎
の息子の松方弘樹という有名なマグロ釣り名人の死亡ニュースを見ていての一言だった。

僕はもちろん近衛十四郎なんて知らないさ。
家の奥さんから聞いたんだ。
侍姿が粋で、めっぽう強いらしい。刀が普通よりも長くて、
胡桃と胡桃を合わす鈍い音が良かったらしい。
おっとと話がそれちゃった。
主人のつぶやきに、僕の前で右手を枕に、まるでトドのように横たわっている方が
「あらあ、それは困るわ。私、すぐに老人ホームに行くわ」と、即返答。
これじゃあ、主人もかわいそう~。
だいたい、奥さんは二言目には、「マメはいいわよね、一日中寝ていられてさ、
たまには私と代わって仕事に行きなさいよ」」なんてひでえことを平気でいうのさ。
僕だって一日中寝てるわけじゃないんだよ。
たまにはシャバの空気も吸いたいよ。
三丁目の色白の彼女の顔も見たいし、それなのに、玄関がちょっと開いていたから
ジェームスのごとく大脱走を企てたら、どこかの大統領のように、
ファースト、ファースト、家が一番と奥さんは僕を引き戻すんだ。

まあ奥さんのいいところは
僕を風呂場に入れてくれるところかな?
奥さんの姿形には全く興味ないけど、風呂のお湯は僕が飲むには
最適な温度なんだ。左手でお湯をすくうこと数回。左手が疲れるから
そっと、顔を近づけてお湯を飲むと、心配そうに見ている優しい顔かな?

僕は74歳だけど
今朝のビッグニュース
92歳のおじいちゃんの叔母さんが亡くなった・・・
長生きだと、未知との遭遇?かな。叔母さん92歳、甥っ子92歳

僕は後3年半で92歳かな??



0 件のコメント: