バイエル程度のピアノ歴
それも35年も前の事。
五藤利弘映画監督と出会って
「おかあさんの被爆ピアノ」作品を
何度も見る機会に恵まれた。
映画の本題から離れているかもしれないが
主人公なな子の弾く「悲愴」を弾いてみた
いと思った。
丁度そのちょっと前に、音楽楽器店の
調律師と大正琴の家元に出会った。
このお二人はご夫婦である。
豆撰によくお買い物をしに
来てくださるおふたりに
声をかけたことからはじまり
今では私の夫と共に親交を深めている。
そんなわけで
悲愴が弾いてみたくて
ピアノを購入した。中古だったが
私にはもったいないピアノだった。
今弾き始めてようやく一年が過ぎる。
楽譜と睨めっこするだけの日々だった。
おさらい会ではまったく弾けず
冷や汗の連続。
最近になり
ようやく、余裕が出てきたようだ。
余裕とは仕事と時間のことである。
楽譜と睨めっこはやめて
好きなピアニストの悲愴を聴くことにし
た。
毎日、毎日聴いていると
他のピアニストとは違って聞こえる。
悲愴というより
優しさが伝わるのである。
辻井伸行というピアニストは
盲目である。そしてベートーヴェンは
耳が聞こえない。
このピアニストは
偉大な作曲家ベートーヴェンを
感じて弾いているから柔らかい
音色なのかと思った。
音楽が人を感動させるって
こういうことかと68歳を前に気づく。
クラシックは遠い世界であったが
一歩近ずいたような気がする。
日日是好日
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