被爆ピアノコンサートと
映画「おかあさんの被爆ピアノ」
長岡美術館講堂はこじんまりとした空間だった。ステージに置かれたピアノはその存在の意義を訴えているように千羽鶴と並ぶ。
今日のピアノは「和子さんのピアノ」と名前がつけられていた。妹の名前と同じだ。平和の和であることにあらためて気がつく。7月は私の両親の命日月である。両親は妹誕生に平和を祈り願って命名したのだろうと思う。両親の青春は戦争の中にあったのだから。
子供らの演奏は被爆ピアノ和子さんの音色を引き出し奏でた。見事に78年間の想いを願いを平和へと導いた。
素晴らし演奏だった。
映画「おかあさんの被爆ピアノ」上映前に映画監督五藤利弘さんのトークに胸が熱くなる。制作前の大事故。車は大破したが自分は助かった。助かった命を映画に注ぐと誓った監督の決断に。
映画のモデル矢川光則さんとこの映画に全身全霊の力で制作に取り組んだふたりの想いはまさに「和子さんのピアノ」を通して平和を願っているのではないだろうか。平和とは大きく言えば世界へ向けて戦争はしてはいけないと力強く訴えている。そして司会者大桃美代子さんの言葉に「この映画は観ている人が観ていない人に伝える責任があるのでは」と締めくくっておられたが、それこそ平和への種まきだあろうとしみじみ思う。
映画のテーマは作り手の想いを離れて観客の想いに変わる。制作から何度も繰り返し上映されるには意味がある。観客の心に映しだされ、生きていく意味を考えることがが私たちの責任でありそれをひとりでも多くの人に伝えていかなければと思った。被爆ピアノは永遠に生きて平和の歌を奏でるあろう。
もう一人の主人公菜々子ちゃんのピアノを聴きながら私もピアノを頑張りたいと思った。簡単楽譜でなく、きちんと「悲愴」を弾きたいと思った。それが私の平和へのメッセージになるような気がして。
日日是好日
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