仕事をしながら見始めた小津安二郎監督映画。終わってからさて、この映画に秋刀魚はでてきたかな?と疑問符がついたけれど、見返すことの意欲は湧かなかった。時間的に。
有名俳優さんのオンパレードである。女性陣の岡田茉莉子さんや岩下志麻さんの美貌は現代っ子の可愛らしさとあまりにも違いすぎている。凛とした高級感とでも言うのだろうか。気高さと言うのか?でも、セリフの言い回しなどに違和感を感じる。音声技術もあるだろうが今の映画人の方が、若くてもリアルに演じていて、役作りがとても上手だと思えた。服装やヘアスタイルの違いもあるかもしれない。
しかし、その時代の風景が心に染みる。家も家具も、茶碗も今の風景とはかけ離れている。看板のデザインもデザインらしさがない。それなのになんだか懐かしく、心の扉が開いたような感覚になる。戦後の高度成長の日常と家族の関わりを表現しているのだろうか。この時代の普通の家族のあり方が秋刀魚の味なのかな。鱧では高級すぎるってことだろうか。
脚本に色付きがなくその時代をありのままを映画化している作風なのだろうか?
物語のラスト、娘を嫁がせた笠智衆父親の気持ちがひしひしと私の胸に突き刺さる。私の亡き父母は私の結婚式では一度も笑顔を見せることなく泣いていた。
私も泣きどうしだった。
43年前になる。
日日是好日
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