二日間、これと言った特別のことはなく老夫婦は過ごした。時差ボケもやや解消されてきた。日本にいる時と変わらず、就寝後は4時間で目が覚めてしまう。老夫婦の間には「ババとジジと寝る」となんと可愛いことを言う孫かと思えば、夜中に大泣きしてママのところに行く。あたしゃ疲れているんだから。本当は一緒に寝たくないのに、孫のためと自分を殺して一緒に寝てやっていたのにと心の中だけで思っている。朝食は白飯に目玉焼き、ワカメ味噌汁、持参した味付けのりを娘が用意してくれる。ああ、日本人だよ、湯気の出ている熱い汁を音を出して啜る。一口飲むとふーかあーか感嘆符音。日本の食べ方なんですよ。そばだってすする、ラーメンもビールひと口口にすれば感嘆符音がでる。やれ、音を出すな、すするな、食事のマナーの違いには来るたびに神経を使う。老人夫は気をつけているのだが、ガチャガチャ、ズルズルで孫にも「それやっちゃあダメなんだよ」と言われる。その度にわたしゃあ、娘婿殿に気を使い、ドキッとする。この国は小学校は5年制である。登校には必ず保護者がついていく。まあ日本の保育園と同じである。危険がいっぱいのお国だから仕方がない。重いリュックは大抵保護者が持っている。夫は孫の荷物持ち係だ。それから掃除洗濯と娘が家事をする。その間私は「将軍」を観る。我が家ではみられなかったので、イタリアでは絶対見てやるぞとイタリア企画に入っていたのだ。徳川家康がモデルであることは知っていたが登場人物の名前は変えられていたため、すぐに理解できなかった。2話くらいからようやく理解する。6話まで観た。観終わったら次回感想文を書きましょうか。さて、それからスーパーやら市場に行く。市場は木曜日と土曜日。イタリア人もいればアラブ人もいる。みんな愛想が良い。野菜の品数は日本の倍くらいある。筍のようなミニサイズで青い野菜。イタリアで何度も見るが食べたことがないので買ってもらう。茹でたその野菜を一枚一枚剥いでオリーブオイルと酢と塩のドレッシングをつけて食べていく。2個も当てがえられたので、非常に手間がかかって食べる野菜だ。もうわかったもういらない。市場では魚の種類も大きさも量も日本とは違う。切り身パッケージなんてもんはない。必要な量だけを買う。肉もそうだ。日本はパック社会。だいたい何でもかんでもパックが好きである。もちろん必要ないプラスチックトレーに見た目よく並べられている。自宅用ならバラ売りで十分だ。環境にも優しい。油揚げも袋なしバラ売りを提案したいよ。市場での買い物は夫のカードである。「遠慮しないでジジの食べたいものを言えば」と妻は夫に助言。夫はそれどころではない。両手に3つも大きな袋を持たされ、まだまだこの時とばかりに買い物は続きましたから。こんな日常生活はイタリアに来た時だけです。これを幸せと言ううのかよくわかりませんが
日日是好日