滞在5泊目は、ピサの斜塔を後に ボローニャに電車で着く。陽射しも陰り始め駅に降りるとかつて滞在したどの街よりも清掃されて綺麗である。しばらく行くと大きなアーケード(雁木)が続く。中世に建てられたアーケードの長さと広さは何百人もが一度に歩けるようだ。街人も鎧を纏った軍隊も貴族もここを通り抜けたのだろう。雨や風をしのいで、たったたったと大勢の人が歩く足音が聞こえてくる。石ので作られている巨大なアーケードの理由は栃尾の雁木通りと同じである。木で建てられたものもあった。どこの国でも人間の考えには共通点があり、発展がある。中世の発展から現在の発展までの道のりを想像したら人間の能力はとてつもないと思う。また家と家の間を流れる川は小さなベネツィアでインスタ映えの名所となっていた。栃尾にもある。川の上に街が建っている。このふたつもの共通点で町興しができないものだろうか。
マッジョレー広場を中心に権力を誇示するために建てられた塔がいくつか残っている。高い塔もあれば低い塔もある。修復中の高い塔はピサの斜塔のように傾いていた。ヨーロッパで最初に建設された大学は今では大きな図書館になっている。解剖学を学んだ講義室は木の彫刻が目立つ。サン・ペトローニオ聖堂も広場の中にある。アントニオ ディ ヴィンチェンツォの手により1390年に着工が開始されてから長い年月が経っている。建設当初は世界で一番大きな聖堂となる予定が、600年以上経過した現在も完成しないままとなっています。街から離れたらワイン畑などトスカーナ地方の魅力にも触れたかったたが1泊滞在ではじっくりと見学はできなかった。二度と訪れることはないボローニャを後にする寂しさは老人であることの認識でもある。娘家族と過ごす目的も大事であるが、世界のことをあまりに見知らずして歳をとってしまった。と娘に話すと、今からでもできる。と言う。日増しに衰えを感じている老人に何ができると言うのか。今更と頭の中から声が聞こえてくる。でもまだ出来ることもあるはずと今更を打ち消す自分もいる。あっという間のジェノバからピサそしてボローニャの旅は終わって娘家族の新居に戻る。時差ボケと旅の疲れが出て睡魔が今の悩みを救ってくれる。
日日是好日
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