本棚の中央にまだ読んだことのない本が並んでいる。恩田陸の名前が私の手を触れさせた。蒲公英の漢字も常野の漢字も作者と共に惹きつける漢字である。この本は私が求めたものではないと思った。娘の本かそれとも慎ちゃんの本かと思った。娘に聞いてみたら私ではないと言われた。慎ちゃんの本かなと思いながらも蒲公英の感じに魅せられて私が求めた一冊だっただろうか。読みはじめから不思議な世界の本であったが、引き込まれていった。
最後のページで発行年を知る。21年前の作品である。物語の終盤と我が家に起きた水害(鉄砲水)が同じ年代である。あの描写が我が家の崩壊と重なる。どんどんと私の心臓は主人公その人になり涙が溢れて止まらない。読み終わったのは朝方の4時だった。夜中に目が覚め2時間夢中で読んだようだ。急に睡魔が襲ってきて、寝室に行く。夢を見ていた。息苦しい夢だった。
私も同じことを体験している。霊感のようなそれでいてバカなと自分を否定する自分。「おい」と私は夫に起こされハッとして我にかえる。
暖かいぬくぬくの布団にくるまって、私はいつものように目を覚ますことができた。そして今日という一日をはじめるのです。
あの日遠い日になりかけている。あの日を境に家族4人と愛猫1匹は狭い長屋で一年を過ごした。失ったものや失った歴史を家族は共有して肩を寄せ合って、コンビニの廃材器で食べた朝食は思い出深い白米ご飯だった。
日日是好日
0 件のコメント:
コメントを投稿