2013年9月14日土曜日

はざがけの思い出




今から50年以上も昔の事です。
鎌を使って手作業で稲刈をします。
刈り取った稲は「ハザ木」にぶら下げ天日干しされ、
乾燥された頃に、稲をハザ木から外します。
この作業は、お天気の良い日、夕方遅くまで続きます。

父の背をはるかに超える高さで、稲はリヤカーに積まれます。
その高く積まれた稲の上に、父は私を抱え乗せくれるのです。
稲の上で、ゆらゆらゆれて、夕焼け空も、背の高い木々も、雀も烏も
とても近くに見えて、嬉しくてたまりませんでした。

父はリヤカーをひき、母は後ろからリヤカーを押しながら
「からすなぜなくの、からすはやまに・・・」と童謡を歌ってくれました。
私はこの魔法の乗り物が大好きでした。
今では少なくなった 「ハザ木」に掛けられた稲を見ると
昨日の事のように思い出します。



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