2015年9月24日木曜日

海辺のカフカ観賞


蜷川演出、宮沢りえ主演「海辺のカフカ」を観賞。
FBのお友達絶賛の作品。
村上春樹原作をどのように演出するのだろうかと
興味深々。
まして、原作の摩訶不思議なストーリー。
一体どうまとめるのだろうかと……。
それがなんとかなり、いやほとんど原本の通りに進む
演出にビックリ仰天。
ややや?何これ?
透明箱に入っている少女は宮沢りえさん。
カフカの自宅、図書館、森、バスの数々が透明箱の中に詰まっている。
透明箱は舞台装置である。
黒子が場面場面で透明箱を移動していく。
こんな方法で場面を変えていく観劇は初めてである。
照明と透明箱の移動は素晴らしい運びであり、新鮮だった。
本の中から、まるで魔法使いが操り、次々と登場人物を出してくる。
すごいの一言である。
出ずっぱりのカフカ、カフカの影カラス、中でもナカタは
歩き方から話し方まで全く同じである。
宮沢りえさん演じる佐伯さん、カフカの母も
想像に近い、品のよさと、教養を感じさせる。
戦争、親子、母をモチーフに
ラストシーンのカフカと母親の抱き合うシーンは感動する 。
そのまま幕を閉じ 終了。出演者へのカーテンコール時には
物語の箱の中に私自身が入っている。

不思議な透明箱は
今、悩み苦しむことを真に受け止め、逃げ出していけない。
真実を受け止めて、前に進みなさい。
生きていることは
迷い、彷徨いながら……。と教えてくれたようです。
本を読んだ方におすすめしたい舞台でした。






0 件のコメント: