2015年12月5日土曜日

杉原千畝を観る

映画「杉原千畝」を観る。
まず、冒頭に昭和30年の外務省が映る。
終戦後、10年の時を経て杉原を探しに来るシーンからはじまる。
すぐに場面は切り替わり、北満州鉄道所と
交渉に関する緊迫状況。
杉原は日本のシンドラーのはずなのに
なんだか、情報網をめぐらす、
日本のスパイのようである。
彼を愛するイリーナの前で銃殺が起こる。
杉原の意に反したとはいえ、残虐な日本軍と
杉原に憤りを感じる。が場面は、
たんたんと第二次世界大戦に進む。
「シンドラーのリスト」と重ね、映像が進むが
毒殺、虐殺の場面が少なかったので
目を閉じることはなかった。

外交官の任務と責任。軍人の任務と行動。
何が正しく,何が間違っているのか
あの時代に口に出したり、行動したら
命の保証はなかっただろうに・・・・・・。
その人間の弱さをはねのけ、6000人のユダヤ難民を
自分の意思で救った杉原千畝と奥さん、
そしてその周りの人々に
心が救われる映画でした。
千畝を演じる唐沢寿明の表情が、流暢に話す外国語よりも
映画の中で光ってみえました。
軍人を演じる難しい役柄を小日向文世が演じる。
大使、船長などの脇役の存在が映画を
盛り上げていたようです。
風景がヨーロッパ、ソ蓮、中国と世界をかけまわり
いつもより、スクリーンが大きく感じました。
イリーナの助けた夫はユダヤ人。
そして、終盤に届けられたイリーナから杉原へ
届けられた手紙の 真意が深いような気がした。
ここで監督は何が言いたいのだろうかと
考え込んでしまいました。
最後に息子のセリフ
父杉原が「今度はどこに行きたい?」と尋ねる。
答えは「日本、まだ行ったことがないから」には
胸が熱くなりました。

 映画の中で何回も聞こえてくる
「世界を変えたい」という杉原千畝の言葉が
心に響きながら映画館を後にしました。





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