先祖様をお迎えするお墓はふたつある。
そのひとつは実家のお墓である。ピカピカに磨かれてあった。すでに妹家族が先に先祖様を迎えていた。お花と蝋燭とお線香が添えられてあった。娘が聞く。曾祖父さん達が入っているの?もちろんだ。13代続いたこの家に14代目がもうじき誕生するのだ。ただの百姓であっても続いたことには間違いがない。妹夫婦に感謝するのみだ。
このお墓には分骨された叔母も眠っていることを教える。叔母の願いだった。周りを見渡すと誰も訪ねる人がいないお墓が散散して草の中に埋まっている。
もしお父さんが先に逝って、最後がお母さんだったら墓じまいしてほしい。永代供養の必要もない。更地にしてくれたらそれでいいからと伝える。
それから山を下りる途中に、守門岳の手前に大きな虹に橋がかかっていた。娘が見つけると孫が大喜びする。大ババと大ジジを迎えに来てくれたんだね。ありがとうと無邪気にはしゃぐ。
実家のお墓をお参りして今度は嫁ぎ先43年目の墓参り。先祖様も義父母もまさかイタリア婿殿からお参りしてもらうなんて夢にも思わなかっただろう。孫の手には提灯の火が灯り、浴衣姿でしずしずと歩く。
家に迎えた先祖様に枝豆、焼き肉をせっせと運ぶ孫にありがとう。
日日是好日
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