美しい人はジュリエットでした。
赤いビロードの中世のドレス肩に膨らみがあって、提灯袖から手首にかけて細くなる。このドレスを纏った女優は美しく哀しい物語を演じた。今から55年前だった。シェクスピアの本を手にしても理解不可能だっただろうが、映像は悲劇を美しく描いてくれる。映画は私にとって大人への階段を上るようだった。
そして私の青春のはじまりは「ロミオとジュリエット」であった。映画館通いもこの映画から始まった。
だから今日のネットニュースでオリビアの死を知ると私の人生も終わりなのか、確実にその日に向かっているような気がした。まるで砂漠にひとり立っているようで胸が締め付けられてしまう。
家族に見守られて召されたオリビアはジュリエットそのものだったのではとそっと涙をぬぐい心の中で十字架をきった。
日日是好日
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