2017年6月23日金曜日

母の代わりに、綴る日記 2017/6/23


母を見舞う

午後2時半に病室に行くと
母は気持ち良さそうに眠っていました。
起こさないように、右手の手袋をはずしてやります。
しばらくして、目を覚まし、キョトンとした顔で私を見つめます。
「れいこだよ。よく、寝ていたから起こさなかったよ」
母は寝起きなので私のことをすぐに認識できなかったようです。
麻痺している手をさすり、右手も頭に持って行く動作を5回くらい繰り返しました。
しばらくすると、師長さんが顔拭きのペーパータオルをもってきてくれました。
私は、母の顔を拭きます。経費と衛生の問題からでしょうか
ペーパータオルで顔を拭かれる母はあまり気持ちが良さそうではありませんでした。
その後、思い切って、勇気を出して、お願いをしました。
「母を車椅子に乗せてほしいのですが?」
すると、乗ったことがあるのですかと尋ねられました。
「はい、前の病院では午前と午後の二回車椅子に乗って、リハビリしていました」
快く師長さんは私の願いを叶えてくれました。
母に病衣のズボンをはかせ、尿を捨て、と作業はちょっと大変でした。
ここで感じたのは、リハビリ専門の先生と看護師さんの違いです。
リハビリ専門の先生はお一人でヒョイっと車椅子に母をのせます。
看護師さんは少し、もたつくのでした。分野の違いでしょうか。
それでも、私の願いを拒否することなく、叶えてくださったことに感謝。
一階に行きます。大きな水槽には熱帯魚がたくさん泳いでいます。
「きれいなメダカだよ、見える?」と指をさして聞くと軽く頷く。
窓際に行くと、背の高いバラが目に入ります。
窓を軽く叩き、「何色かな?」
すると、驚きでした。「ももいろ」と小さな小さな声が聞こえました。
私の心の中はガッツサイン。
四時に戻って来てくださいと言われていたので
病室にもどる。
「良かったですね」と看護師さんの声掛けに感謝感謝。
しばらくして
「れいこは帰るよ」頷く母。
「かずこが後でくるからね」
するとまるで奇跡のように
「今日か」と小さな小さな声を発する。
母の状態は1日の中でのでも、相当な波があります。
でも
母は喋られるのです。

ニュースで流れていた、痛々しい海老蔵さんの記者会見を見ながら
母に代わって
母の日記をつけてみることにする。
今日は初日。三日坊主になりませんように!

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